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【奈良】知ってから行くと楽しさ倍増!奈良・法隆寺の巡り方

【奈良】知ってから行くと楽しさ倍増!奈良・法隆寺の巡り方

2022-12-21 ナベチャン

日本で初めて世界文化遺産に登録された法隆寺。由緒正しいお寺ということで、堅苦しいイメージを持たれがちですが、実はとても見ごたえのある面白いスポットなんです。当記事では法隆寺の見どころや、見学がより楽しくなる巡り方をご紹介します。
ナベチャン

這篇文章的作者

ナベチャン

旅行業界で7年ほど働いていました。仕事で有名観光地に行き過ぎたせいか、プライベートでは珍スポット・B級スポットと呼ばれる場所ばかり出かけています。素敵な情報をお届けできたら嬉しいです!

法隆寺の歴史



歴史の教科書にも載っている法隆寺ですが、いつ、誰によって建てられたのかは意外とわからない方が多いのではないでしょうか。ここではまず、法隆寺の歴史について簡単にご紹介します。



法隆寺は607年頃、聖徳太子と推古天皇によって建立されたと伝えられています。
もともとは聖徳太子の父・用明天皇が、自身の病気平癒を祈るために建てようとしていましたが、実現しないまま亡くなってしまったため、その遺志を継いで建てられたそうです。



聖徳太子の一族が滅びたあとも、太子を慕う人々によってしばらく守られていた法隆寺。
ところが670年、そんな法隆寺に悲劇が……!何と落雷による火災で、建物が全て焼失してしまったのです。



しかし、すぐに再建が進められたおかげで、あっという間に法隆寺はもとの姿に戻ることができました。
法隆寺の再建時期については不明ですが、その後も何度か修復を繰り返し、今日に至るまで当時の姿を維持し続けています。1993年には日本で初めてユネスコの世界文化遺産に登録されました。

ここがアツい!法隆寺の見どころ



法隆寺の一番の見どころといえば、やはり国宝の建物が数多く残っている西院伽藍。
法隆寺の境内は大きく、西院伽藍と東院伽藍の2つに分かれており、西院伽藍はとくに歴史を感じる建物や不思議スポット、珍しい仏像がいっぱいです。
ただ、残念ながら撮影禁止エリアが多いので、今回は外観の写真のみで見どころをお伝えしたいと思います。
建物内部や仏像をご覧になりたい方は、ぜひ法隆寺へ遊びに行ってみてください。

中門



こちらの中門は西院伽藍の正門にあたるところです。
現在は柵があって門を通り抜けることはできませんが、本来はここから西院伽藍に入ることができました。

中門で注目していただきたいのが、中門の両端にある2体の金剛力士像。実はこちらの金剛力士像は、奈良時代につくられた日本最古のものなんです!
もともとは阿形と吽形のどちらも土でつくられていましたが、吽形は長年の雨の影響により損傷が進んでしまい、現在は体の部分が木造になっています。



中門を過ぎたら、回廊の柱にも注目してみてください。
実はこちら、『エンタシス』と呼ばれる建築構造で、よく見ると柱の真ん中が少しだけ太くなっているんです。
古代ギリシャの神殿ではよく見られるそうですが、日本の歴史的建造物でエンタシスの柱が見られるのは法隆寺だけなのだとか。
じっくり見ないとわかりづらいかもしれませんが、ぜひ気にしながら歩いてみてください。

金堂



金堂(こんどう)は法隆寺で最も古い歴史を持つ建物です。
内部には本尊の釈迦三尊像をはじめ、薬師如来や阿弥陀三尊像など、国宝・重要文化財に指定されている仏像が安置されています。
どの仏像も必見ですが、中でも注目してご覧いただきたいのが、やはり釈迦三尊像。微笑んでいるような優しい表情で、見ていると何だか不思議と気分が安らいでくるんです……!
キリっとした表情を浮かべる仏像が多い中、こちらに向かって微笑みかけてくれる釈迦三尊像は癒されること間違いなし。金堂内部を見学する際はぜひチェックしてみてください。

五重塔



法隆寺の五重塔は日本最古の五重塔として知られています。
塔の一番下には、奈良時代のはじめにつくられた塑像群(土でつくられた大量の像)があり、お釈迦さまが亡くなった時や、お釈迦さまの骨を分割している時の場面が表現されています。



ところで法隆寺の五重塔は"五重塔"なのに、屋根が6つもあることをご存知でしょうか。
実はこれ、一番下の屋根は裳階(もこし)と呼ばれるもので、雨風をしのぐためにつけられているのだとか。
ちなみに裳階は五重塔だけでなく、金堂にもついています。法隆寺へ行ったらぜひ裳階も探してみてください。



五重塔の外観はほかにもユニークな装飾がいっぱいあります。
例えば屋根を支える邪鬼や、柱に巻きつく龍など。相輪(一番上の輪がある部分)に鎌があるのも不思議です。
どれも創建当時からあるものではなく、補強やまじないとして取り付けられたものだそうです。

大講堂



法隆寺は『法隆学問寺』とも呼ばれ、実はお坊さんたちが仏教の勉強をするところでもありました。
この大講堂はいわば教室のようなところで、お坊さんたちはこちらに集まって仏教の勉強をおこなっていたそうです。
中に入ると、大きな薬師三尊像があり、その目の前に2つの高座が並べられているのが見えます。
当時は今みたいに先生が黒板に文字を書く授業スタイルではなく、この高座に座って、1対1で質疑応答する形で勉強をおこなっていたそうです。
つい薬師三尊像に目がいってしまう大講堂ですが、せっかく見学するならぜひ高座もチェックしてみてください。

法隆寺見学をより楽しむためのポイント

せっかく法隆寺に行ったのに、「西院伽藍の建物を見て終了!」というのは非常にもったいない話。法隆寺にはほかにもまだ多くの見どころがあります。
ここでは法隆寺見学をさらに楽しむためのポイントをいくつかご紹介します。

見学時は法隆寺の七不思議もチェック!



「いつ建てられたのか」「どういった意図でこの構造を選んだのか」など、未だ解明されていない点が多い法隆寺ですが、中でもとくに謎とされているのが『法隆寺の七不思議』です。



【法隆寺の七不思議】
1.法隆寺は蜘蛛が巣をかけない
2.南大門の前に『鯛石(たいいし)』と呼ばれる不思議な石がある
3.五重塔の上に鎌がかけられている
4.3つの不思議な伏蔵がある
5.法隆寺の蛙はみんな片目がない
6.夢殿の礼盤の下が汗をかいている
7.雨だれによる穴が開いていない

さすがに全てを確かめることはできませんが、五重塔の上にある鎌のように、実際に見て確かめられるところもいくつかあります。
ちなみに五重塔の上にある鎌は諸説ありますが、落雷から建物を保護する避雷針としてつけられている、「切る」という意味から「風を切る=台風を避ける」というまじないの意味が込められていると言われています。



南大門の前にある鯛石も実際に見て確認できる七不思議の1つです。
一説では、近くの大和川が氾濫した際に、川の水が鯛石より先に押し寄せてこなかったのだとか。
また、聖徳太子がこの石の上に立って弟子たちに教えを説いたという伝説も残っています。
確かにそういった話を聞くと、この石がとても不思議なものに見えてきます。
みなさんも法隆寺に行く際は、ぜひこういった七不思議もチェックしてみてください。

大宝蔵院で数々の名宝を見るべし



西院伽藍を見学したあとは、ぜひその先にある大宝蔵院(だいほうぞういん)にも立ち寄ってみましょう。
大宝蔵院には八等身の美しい姿が印象的な『百済観音像(くだらかんのんぞう)』をはじめ、悪い夢を良い夢に変えてくれる『夢違観音像(ゆめちがいかんのんぞう)』、推古天皇の仏殿と伝えられている『玉虫厨子(たまむしのずし)』など、法隆寺に伝わる名宝がたくさん安置されています。
博物館レベルの見ごたえとなっているので、こちらもじっくりと見学してみてください。

夢殿は秘仏が見られる時期が狙い目



大宝蔵院を出てさらに東へ進むと、今度は東院伽藍へとたどり着きます。
ここで見ておきたいのが、伽藍の中央にある八角形の建物『夢殿(ゆめどの)』です。
東院伽藍の本堂で、中には聖徳太子の等身像と伝えられている『救世観音像(くせかんのんぞう)』が安置されています。



救世観音像はこれまで長年にわたって完全なる秘仏とされてきました。長い布でグルグル巻きにされていたそうで、当時は法隆寺の僧侶でさえその姿を見ることはできなかったそうです。
その後、宝物調査のため法隆寺を訪れたアメリカの哲学者・フェノロサが説得を重ね、明治時代にようやく救世観音像が見られるようになりました。
ただ、現在も救世観音像は秘仏となっているため、普段はその姿を見ることができません。
見られるのは年に2回の時期のみ!法隆寺見学をたっぷりと楽しむなら、ぜひ救世観音像が見られる時期を狙ってみてはいかがでしょうか。

【夢殿特別開帳】
春季…4月11日〜5月18日
秋季…10月22日〜11月22日

正岡子規の句碑も探してみよう



法隆寺の境内には、正岡子規が詠んだ「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」の句碑もあります。
西院伽藍から大宝蔵院に向かう途中のどこかで見られるので、こちらもぜひ探してみてください。

まとめ

修学旅行の定番スポットとしても知られている法隆寺。
学生時代に法隆寺を訪れた方の多くは、どのような建物や仏像があったのか、ほとんど覚えていないのではないでしょうか。
しかし、法隆寺をただの観光地として思い出にしておくのはもったいない話!法隆寺には知れば知るほど魅力的に思えるポイントがたくさんあります。
奈良に立ち寄った際は、ぜひ今回ご紹介した内容を思い出しながら法隆寺を巡ってみてください。

<施設情報>
住所:〒636-0115 奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1
電話番号:0745-75-2555
開園時間:2月22日~11月3日…8:00~17:00、11月4日~2月21日…8:00~16:30
料金:一般…1,500円、小学生…750円

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