札幌市時計台
札幌の観光スポットとしても有名な「札幌市時計台」は明治11年に建てられました。今は「時計台」として知られていますが、正式名称は「旧札幌農学校演武場」です。札幌農学校の初代教頭であるクラーク博士の指示で建てられました。
「札幌市時計台」の中は資料館として整備されており、時計台の歩んだ歴史が学べます。また時計台の2階にある講堂は貸し切りできるんです。音楽会や講演会だけでなく結婚式も挙げられるので、人とは違う挙式をしたい方におすすめです。「札幌市時計台」は明治時代に建てられた木造建築ですが、創建当初と変わらない姿で札幌の街を見守っています。
所在地:北海道札幌市中央区北1条西2丁目
料金:大人200円 / 高校生以下無料
小岩井農場
「小岩井農場」は明治24年に作られた農場で、もともとは何もなかった荒野を整備して作られました。現在では一般向けに農場を開放しているかたわら、酪農事業や山林事業などの一次産業を続けています。「小岩井農場」内には明治時代に建てられた牛舎や天然の冷蔵庫など、当時の農業・畜産業の姿を残す歴史的建造物が21棟も残っているんです。農場内に併設の資料館では、近代農業の歴史や「小岩井農場」ができた経緯を学べます。
歴史を学んだあとは、小岩井農場の1本桜を見に行きましょう。広い緑の大地に立つ桜の木は、約100年前の明治40年代に植えられたとされています。桜の木と岩手山を眺めながら、先人たちに思いを馳せるのもいいですね。
所在地:岩手県岩手郡雫石町丸谷地36-1
料金:大人(中学生以上)1,000円 / 子ども(小学生以下)無料
旧開智学校
「旧開智学校」は明治9年に建てられた小学校の跡です。現在は資料館になっていますが、約60年前までは小学校の校舎として使われていました。創建当初は現存する校舎に加え、30あまりの教室があったとされ、「広大華麗・地方無比」と言われるほどの大きな学校でした。
洋風な作りながら和風な瓦ぶきの屋根がレトロ感を感じさせます。学校内は見学ができるので、明治時代の教室の様子や実際に使われていた教材も見られるんです。現在は改修工事中のため見られませんが、「旧開智学校」向かいの「旧司祭館」で展示物を見られます。「旧司祭館」もかわいらしいパステルブルーのレトロな外観なので、一見の価値ありです。
所在地:長野県松本市開智2丁目4-12
料金:大人(高校生以上)400円 / 子ども(中学生以下)200円
旧岩崎邸
「旧岩崎邸」は三菱第3代社長の岩崎久彌の邸宅として明治29年に建てられました。当時は敷地内に20棟もの建物が建っていましたが、現在はその1/3の敷地内に洋館、和館、ビリヤード場の3つが残っています。
やわらかなアイボリー色の洋館はヨーロッパを思わせるような雰囲気ですが、こまやかな装飾に日本的な美を感じられます。洋館の隣には和館が結合されており、そちらでは和洋折衷の美しい庭が見られるんです。庭園が見られる場所にお茶席が設けられているため、洋館と和館を見学した後は、美しい芝生のお庭を眺めながらゆっくりお茶をいただけます。
所在地:東京都台東区池ノ端1丁目
料金:大人400円 / 65歳以上200円 / 小学生以下無料
赤レンガ倉庫
横浜の有名観光地の1つである「赤レンガ倉庫」は明治44年に2号館が、大正2年に第1号館が国の保税倉庫として作られました。あとにできた第1号館は日本で最初の荷物用エレベーターやスプリンクラーを備える最新鋭の倉庫でした。その後は戦後アメリカ軍の港湾基地としても使用されましたが、接収終了後平成元年まで現役の倉庫として使用されていたんです。
現在はおしゃれなカフェや雑貨屋さんが入る観光地になっていますが、建物自体の形は創建当時の姿を留めています。中のお店だけでなく、近代日本の発展を支えた「赤レンガ倉庫」の外観にも注目してみてください。
所在地:神奈川県横浜市中区新港1-1
料金:無料
北野異人館街
「北野異人館街」は明治時代、日本の開港当初に来日外国人たちの居住地として建てられました。最盛期には200棟あまりの建物が立ち並んでいましたが、第二次世界大戦の空襲や阪神淡路大震災の被害により、現在は16棟だけが残されています。
神戸の中心地である三宮から坂を上がっていくと、出窓のあるパステルカラーの家やレンガ造りの建物が増えてきます。異国情緒あふれる景観を楽しみつつ、気になる異人館があれば中に入って見学してみましょう。当時使われていた家具がそのまま残されているところもあり、海外旅行気分が味わえるんです。北野坂の一番上にある「風見鶏の館」からは神戸の街並みと大阪湾が一望できます。
所在地:兵庫県神戸市中央区北野町
料金:無料~1,050円(施設により異なる)
旧奈良監獄
「旧奈良監獄」は明治42年創建の西洋文化を取り入れた監獄です。「旧奈良監獄」は赤レンガ作りで、当時収監されていた受刑者たちと赤レンガ職人たちの手によって建てられました。左右対称の作りとアーチ状の窓が洋風のたたずまいを感じさせます。
その後は2017年まで刑務所として108年にわたり使用されていましたが、建物の老朽化が進んだため重要文化財に登録後、閉庁されました。現在は星野リゾートによる改修工事が行われており、令和6年に「旧奈良監獄」の建物をそのまま活かしたホテルがオープン予定です。
所在地:奈良県奈良市般若寺町18
道後温泉本館
「道後温泉」は「日本書紀」にも登場し、日本最古の温泉と言われています。「道後温泉本館」は明治27年に建てられた木造建築です。道後湯之町温泉初代町長が100年後の道後の繁栄を目指して建築されました。西洋文化の波に流されていない純和風な作りからは、公衆浴場として地元の人たちに長く愛されるようにという想いが感じられます。
「道後温泉本館」には「神の湯」と「霊の湯」があり、石造りの浴室はレトロな雰囲気が漂います。また「又新殿」という建物は資料館として保存されており、歴代皇室の方々が入りに来られたという豪華な室内を見られます。「又新殿」では明治時代に作られた木造の浴室も見学できるんです。道後のお湯に浸かって、時の流れをゆっくりと感じましょう。
所在地:愛媛県松山市道後湯之町5番6号
料金:大人(12歳以上)420円 / 子ども160円
竹瓦温泉
「竹瓦温泉」は明治12年に建てられた温泉で、現在も銭湯として別府市民から愛されています。飲み屋街を抜けて狭い路地を通り抜けたところに急に現れる「竹瓦温泉」を見ると、明治時代にタイムスリップしたかのような感覚に陥ります。中は古さが残りますが、茶色い床はきれいに磨き上げられています。玄関から浴場へ繋がる大広間には休憩所が備えられているので、湯上り後にはゆっくりと「竹瓦温泉」の雰囲気が味わえますよ。
浴室に入ると真ん中に大きな石造りの浴槽があり、その周りにお湯と水が出る蛇口のみの洗い場が備え付けてあります。地元の常連さんたちに混じって入るレトロ感満載の温泉は、非日常感が味わえること間違いなしです。
所在地:大分県別府市元町16-23
料金:大人300円 / 子ども100円
グラバー園
「グラバー園」内には9棟の歴史的建造物が立ち並んでおり、うち3棟が江戸末期〜明治元年にかけて外国人居留地として建てられました。広い園内には西洋風のレトロな建物だけでなく、美しい植栽も施してあるためヨーロッパに来たような感覚が味わえます。「グラバー園」内で一番古い「グラバー邸」は日本開国後間もない時期に建てられました。平屋の広々とした外観からは他の邸宅とは違った雰囲気を感じられます。内部も見学ができるので、江戸末期〜明治初頭の暮らしぶりもうかがえますよ。
それだけでなく、大正ロマンあふれるレトロなドレスを着て園内で写真撮影もできるんです。異国情緒あふれる空間を思う存分楽しみましょう。
所在地:長崎県長崎市南山手町8-1
料金:大人620円 / 高校生310円 / 小・中学生180円
まとめ
日本全国のレトロな雰囲気漂う歴史的建造物を10個紹介しました。100年以上前に建てられ、戦争や自然災害を経て現代まで大切に守られてきた貴重な建造物です。日本の和風な建物とも違う、欧米の建物ともまた違う、和と洋の融合した建物には明治・大正のロマンが感じられます。ノスタルジックな雰囲気を楽しみに、一度訪れてみませんか。