奥入瀬渓流
日本でも屈指の癒しスポットとして挙げられる「奥入瀬(おいらせ)渓流」。ミシュラン・グリーンガイドでも二つ星に選ばれている知名度の高い観光名所です。十和田湖から流れ出る奥入瀬川の流れは14キロに及びます。道中の至るところでインスタ映え間違いなしの絶景を見つけることができるでしょう。
十和田湖と合わせて「十和田八幡平国立公園」を構成している奥入瀬渓流は、四季折々の変化を全身で感じられる景勝地です。どの季節もそれぞれの美しさがありますが、特に5月中旬から6月中旬あたりの新緑の時期もしくは10月中旬から下旬にかけて紅葉の時期に人気が高いようです。
奥入瀬渓流の魅力として、まずは奥入瀬川そのものの流れがとても美しいことが挙げられます。清流の途中には銚子大滝や九段の滝などたくさんの滝が連続しており、その豊富さは「瀑布街道」と呼ばれる所以ともなっているほど。また木漏れ日の中できらきらと輝きを放つ水面の変化する表情、苔の生えた岩や木の葉など自然が織りなす美しさが凝縮されています。
大変自然豊かなスポットでありながら、散策しやすい場所でもあるのが奥入瀬渓流の魅力です。渓流沿いには国道102号線が走っているためアクセス性抜群。マイカーを所有している人であれば、気軽に訪れてサクッと自然の中へ身を置くことができるでしょう。そしてそれにもまして特におすすめの散策方法はレンタサイクル。自転車で空気の澄み切った森の中を駆け抜ければ、最高の気分を味わうことができます。もちろん時間が許せば歩いてじっくりと景色を楽しむのもより良い選択肢です。
恐山
本州最北端に位置する下北半島の真ん中には、霊場として全国的に名の知れた恐山があります。死者が集まる山という言い伝えにより何となく人が近寄りがたいイメージをもつ人は少なくないかもしれませんが、実はこちらもインスタ映え間違いなしの美しい風景を楽しむことができる場所。多くの人が訪れる風光明媚な観光スポットです。
恐山は、西日本エリアの比叡山、高野山とともに日本三大霊山の1つとして名を連ねる有名な山です。地元の人々の間ではかねてから、「人は死ねば恐山に行く」という言い伝えが存在してきました。そのため「恐山菩提寺」を拠点に毎年「恐山大祭」及び「恐山秋詣り」といった祝祭が催され、その時期には特に全国から多くの人が訪れます。
恐山が死後の世界と結びつけられている主な要因は、まるで他の場所から隔絶されたかのような恐山近辺の独特な景観です。三途の川にかかった太鼓橋を渡って足を踏み入れていくと、そこに広がるのはどこかもの悲しさを感じさせる荒涼とした空間。この場所を訪れる人は今自分が生きている世界との大きな隔たりを目の当たりにし、故人のことを思い出すのかもしれません。
他の場所では見られない独特な景観が存在する訳は、恐山が1万年以上前に噴火したとされる火山であるということ。火山活動によって生じた外輪山の地形は恐山周辺から内部への視界を遮り、生態系などの環境にも変化をもたらしています。もっとも火山とは言っても特別に警戒するレベルには及ばない休火山なので、観光に訪れる際に心配する必要はほぼないでしょう。
人を寄せ付けない自然の脅威を感じさせる恐山には、観光地として目を引くスポットが多数存在しています。たとえば透明度の高い宇曽利湖は沖縄のビーチを思わせる美しいエメラルドグリーンが印象的。同エリアを代表する絶景の1つに数えられます。とはいえ炭酸ガスが発生するということで人体には危険の伴う注意が必要な場所でもあります。他にもたくさんの絶景スポットや温泉設備も充実している恐山エリア。ぜひ1度勇気を出して訪れてみてはいかがでしょうか。
十和田湖
青森を代表する湖として名高い十和田湖は、隣の秋田県にまでまたがる大きな湖。そこから流れ出る奥入瀬渓流の項目でも若干触れましたが、肝心の湖も忘れてはいけないインスタ映えスポットです。こちらもまた自然の脅威と美しさを全身で感じられる魅力あふれる場所なので、青森を訪れる際には間違いなく旅の予定に含めたいところです。
恐山と共通しますが、十和田湖も火山活動によってできたカルデラ湖です。もともと水のなかった陥没した火山に、長い年月をかけて雨水がたまったと考えると、何となくロマンを感じてしまうのではないでしょうか。日本の湖の中で特別大きな部類ではないものの、十和田湖の特筆すべきポイントはその深さ。最も深い場所は約327メートルと日本第3位です。
周囲の山から湖を望むと、非常に滑らかな鏡のように空や山々などあらゆるものを映し込む水面が確認できます。自然の織りなす美しさと開放的な大パノラマは訪れた人すべてを魅了。まさに神秘的な美しさと形容するにふさわしいスポットです。季節によってはカヌーや遊覧船を使ってアクティビティを楽しんだり周遊したりできるのもポイントで、行く時期を選ぶことで四季折々の景色の変化を楽しむことができるでしょう。
十二湖
日本で初めて世界遺産として登録された白神山地には、とりわけ神秘的な光景を見られるスポットが存在します。それが十二湖です。十二湖は1704年に発生した能代地震により、崩山(くずれやま)が崩壊したことで川がせき止められてできたとされる複数の湖沼のことを指します。ブナ林に点在する湖沼の数は実際には33ですが、崩山から眺めてみると12の湖沼が確認できることから十二湖と呼ばれているようです。
十二湖を代表する特に有名な湖沼の1つが「青池」です。名前の通り青い池なのですが、その鮮やかな青さはまるでブルーインキを流したかのよう。それほどまでにはっきりとした発色であることで知られています。とはいえ決して何かで着色されているわけではなく、水質は非常にきれいで透明度が高くて池底に倒れた木が見えるほどです。天候や季節によって青色の見え方が変わるので、訪れる度に違った表情を見せてくれることでしょう。
青池や「沸壺の池」をはじめ鮮やかな青色の水が印象的な十二湖の湖沼ですが、なぜ青色を発しているのか正確な根拠はまだ解明されていないようです。ちなみに北海道美瑛町にある「青い池」は、水に混ざる物質が関係して青色を発していることが分かっています。ですが十二湖の水は非常にきれいで、湧水は「青森県の名水」に選ばれるほど。原理の解明されていない不思議な水であるがゆえに、余計に神秘を感じさせてくれます。
十二湖エリアに入ることができる時期は限られていて、ゲートが開放されている4月から11月の間に散策を楽しむことができます。新緑や紅葉の時期にはトレッキングのために多くの人が訪れます。特に4つのセラピーロードが設定されているため、体力や好みに合わせて自分のペースで大自然を満喫できるのが大きな魅力です。
城ヶ倉大橋
十和田八幡平国立公園には、大自然の魅力がたっぷり味わえるスポットがまだまだたくさんあります。その1つである城ヶ倉渓流も手つかずの自然が残るとても美しい場所なのですが、そこには城ヶ倉大橋がかかっています。この橋もまた、ユニークかつ多くのインスタユーザーの心をとらえて離さない撮影スポットとなっています。
城ヶ倉大橋最大のポイントは、ユニークな構造とサイズです。この橋はアーチが道路の部分よりも下に位置する上路式アーチ橋という構造になっています。そして上路式アーチ橋としては日本最長のアーチ支間長255メートル、全長360メートルという迫力あるスケール感。ダイナミックな自然とマッチした人工物の組み合わせは、なかなか目にすることができない価値ある景色です。
素晴らしいロケーションにある橋なので、そこから見える景色も良くないわけがありません。橋上から見下ろしてみると、城ヶ倉渓流を眺めることができます。目線を遠くにやれば八甲田連峰に青森市街、岩木山とバリエーション豊かな景色を大パノラマで楽しめます。紅葉の時期が特に見ごろで、鮮やかに色づいた山々に囲まれれば気分も爽快です。
三内丸山遺跡
長い歴史を誇る日本ですが、特に古い縄文時代の遺跡を目にする機会はさほど多くありません。青森県にある「三内丸山遺跡」はそのような数少ない遺跡の1つで、今ではユネスコの世界文化遺産にも登録されています。非日常の景色が広がる空間をぜひ1度経験してみてはいかがでしょうか。
遺跡の敷地内には、縄文時代の人々の生活を現代まで伝える貴重な遺跡の数々が存在します。たとえば歴史の教科書でしか見ないような竪穴住居跡に、土器や土偶など。画面や本などで写真を眺めるだけではいまいちピンとこないものでも、いざ実物を目にして解説に耳を傾けてみれば、きっと面白さに気づくことでしょう。まるでタイムスリップしたかのような気分に浸ることができます。
まとめ
以上、青森県エリアの魅力あふれるインスタ映えスポット6選でした。いずれも共通して言えるのは、やはり壮大で豊かな自然。北の果てに広がる神秘的な森林地帯の片りんを垣間見られます。日常の喧騒から逃れてリフレッシュする際には、ぜひ青森県を思い出してみてください。