倉敷市は国産デニム発祥の地
倉敷デニムストリートがある倉敷市は、実は国産デニム発祥の地。こちらで生産される『児島デニム(倉敷デニム・岡山デニム)』は、縫製や加工などの高い技術と品質で、世界中から高い評価を得ています。
しかし一体なぜ、ここ倉敷市でデニム産業がこうも栄えていったのでしょうか。その理由は、倉敷市の風土が大きく関わっていました。
倉敷デニムで有名な倉敷市児島は、もともと瀬戸内海に浮かぶ島の1つでした。その後、江戸時代になると、各地で国力増強を図る組織的な新田開発が進んでいきます。
児島も干拓がおこなわれましたが、もともと海に浮かぶ島だったこともあり、新田の塩分濃度が高くて稲作がうまくいかなかったのだとか。そこで稲作の代わりに始められたのが綿の生産です。
降水量が少なく温暖な気候に加え、塩分を多く含んだ新田は綿の栽培にぴったり。また、染色に必要とされる水が豊富に確保できるという好条件にも恵まれ、次第に児島では繊維産業が発達していったのでした。
その後も足袋や学生服と、木綿織業を発展させていった倉敷でしたが、戦後になると、今度は合成繊維の登場により経営が困難に。
そこで新たに始まったのが、デニムの開発です。こうして足袋や学生服で培った裁断・縫製技術を最大限に生かし、国内初のデニムがつくられていきました。
岡山県ではこの児島地区を中心に、今でもクオリティの高い国産デニムが生産されており、国際的ブランドとして世界中から注目を集めています。
倉敷デニムストリートとは
古くから繊維の街として知られる倉敷で誕生し、今や世界的から注目される国際的ブランドとなった児島デニム。
そんな児島デニムを手にできるのが、今回ご紹介する倉敷デニムストリートです。こちらは倉敷美観地区の中にある施設で、2014年にオープンしました。
ストリートといっても複数の店舗が立ち並んでいるわけではなく、30メートルほどの通りに『メンズ館』『レディース&キッズ館』『雑貨館』と、同じ施設のショッピングスポットが並ぶ形となっています。
取り扱っている岡山県内のデニムブランド商品はなんと約1000点以上!しかもほかのお店に比べ、お手頃な価格で購入することができるんです。
デニムといえばジーンズを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、こちらの倉敷デニムストリートはジーンズだけにとどまらず、デニムを使った小物や雑貨、ファッション小物など、見ているだけで思わずワクワクしてしまうような商品が満載。
また、ショッピングスポットだけでなく、デニムにちなんだグルメやフォトスポットもあり、買い物を目的としていない方でも楽しめる施設となっています。
児島ジーンズストリートとの違い
倉敷市には倉敷デニムストリートとは別に、国産ジーンズショップが並ぶ児島ジーンズストリートもあります。
よく混同されがちな2つのスポットですが、実は倉敷デニムストリートと児島ジーンズストリートは全くの別物なんです。
1つの建物にショッピングスポットが集結している倉敷デニムストリートに対し、児島ジーンズストリートは、約40店舗のジーンズ専門店が建ち並ぶ商店街となっています。
今回は倉敷デニムストリートをご紹介していますが、児島ジーンズストリートも魅力的なスポットが満載!
児島デニムを販売するお店だけでなく、ジーンズのオブジェやマンホールなど、思わず写真を撮りたくなるようなスポットもたくさんあるので、倉敷デニムストリートとぜひ併せて立ち寄っていただきたいところです。
倉敷デニムストリートのショッピングスポット
倉敷デニムストリートは1つの細長い建物の中に、『メンズ館』『レディース&キッズ館』『雑貨館』と3つのショッピングスポットが入っています。ここではそれぞれの特徴についてご紹介します。
メンズ館
岡山県内にあるブランドから、ここだけでしか手に入らないオリジナルブランドまで取り揃えているメンズ館。
中でも注目したいのが、倉敷デニムストリート限定ブランド『和蔵(わくら)』。こちらのブランドはジーンズでは珍しい白色の糸で縫製されているものや、内側の布に白壁の柄がプリントされているものなど、商品の多くが美観地区の白壁をモチーフにしているのが特徴です。
ボーイフレンドやスキニーなど、多数の商品があるメンズ館の中で、とくにおすすめしたいのが『和蔵スリムストレッチ(21,450円・税込)』。
ぴったりとしたパンツですがストレッチ素材が使われており、ストレスなくきれいなラインを出せると人気の商品です。セルビッチ生地を使用しており、経年変化を楽しめるのも魅力の1つとなっています。
レディース&キッズ館
日本人女性の体型を考えてつくられた商品が勢揃いのレディース&キッズ館。
脚長効果が出るパンツから、すっきりとした印象に仕上がるスカートまで、痒いところに手が届くファッションが数多く取り揃えられています。
館内ではメンズ館と同様、和蔵ブランドを取り扱うほか、上質な素材と匠の技と独創的なデザインが人気の岡山ブランド『commonplace』などの商品を多数販売。ついどれにしようか迷ってしまうほど、ラインナップが充実しています。
レディースのおすすめはズバリ『和蔵Gジャン(20,350円・税込)』と『和蔵ロングスカート(17,380円・税込)』。
スタイリッシュなデザインのGジャンは、どんなコーディネートにも合わせやすく、またストレッチ素材で動きやすいのが特徴です。経年変化を楽しめるので、長く着まわしができます。
また、ロングスカートはテンセル混のデニムを使用しており、汗をかいても肌に張り付きにくいのが嬉しいポイント。ウエスト周りのタックが閉じており、どんなトップスにでも合わせやすく使い勝手も抜群です。
雑貨館
雑貨館はデニムの風合いを活かした小物や雑貨がズラリと並んでいます。その数なんと700種類以上!中にはデニムの扇子やインディゴ染めのタオルなど、珍しいアイテムも。
商品はどれもお手頃価格で購入できるので、自分用はもちろん、お土産として購入するのもおすすめです。
いちおしは倉敷デニムストリートのオリジナルキャラクター『DENIM BEAR(デニムベア)』グッズ。デニムを身に着けた可愛らしいデニムベアは、見ているだけで癒されること間違いなしです。
キーホルダーをはじめ、バッグやお菓子など、さまざまな商品が販売されているので、ぜひ手にとって見てみてください。
外せない!デニムカラーグルメ3選
倉敷デニムストリートで楽しめるのはショッピングだけではありません。雑貨館の角には、ここだけでしか食べられない、デニムカラーグルメを販売するテイクアウトコーナーも。
思わずぎょっとしてしまうような見た目ですが、倉敷デニムストリートに訪れた際はぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
ここではテイクアウトコーナーの人気グルメを3つご紹介します。
デニムまん
倉敷デニムストリートで食べられるグルメの中でも、ひときわ人気が高いデニムまん。文字通り、デニムカラーの肉まんで、着色料にはクチナシの花が使われているそうです。
食欲を減退させるような色合いですが、味は全く問題なく、黒豚肉の餡が入った本格的な肉まんとなっています。
今では倉敷デニムストリートどころか、倉敷の名物グルメとしても話題を集めているそうで、早い日は午前中に売り切れてしまうことも!
大型連休などにお出かけされる方は、ぜひ売り切れる前にゲットしましょう。
デニムバーガー
続いてご紹介するのが、デニムまんに負けず劣らずのビジュアルを放つデニムバーガー。
ふわふわで真っ青なパンは、パン屋さんから特注で仕入れているもので、デニムまんと同じく、クチナシの花を着色料に使っているそうです。
気になる中身はつくね風のパテと千切りキャベツ。こちらもなかなかのインパクトですが、味は全く問題ないのでご安心を!食欲減退カラーですが、むしろもう1つ食べたくなるような味わいです。
デニムソフト
デニムカラーグルメの中でも「おいしい!」と話題を集めているのがこちら、爽やかなデニムカラーが印象的なデニムソフトです。
ミント味を彷彿させるような見た目ですが、意外にも味はフルーティー。ソフトクリームの色にはブルーベリーが使われており、そこにラムネの風味が加わえられているのだそう。
実際に食べた人からは「爽やかな甘さでおいしい!」と好評のようです。
「味は問題ないとわかっていても、デニムまんやデニムバーガーを食べるのは抵抗がある……」という方は、デニムソフトからチャレンジしてみるといいかもしれません。
まとめ
倉敷が誇る観光名所、美観地区の中にある倉敷デニムストリート。JR倉敷駅から徒歩10分ほどの距離にあり、立ち寄りやすいのも嬉しいポイントです。
デニム好きの方はもちろん、あまりファッションにこだわりがない方も楽しめるスポットとなっているので、倉敷へ遊びに行く際はぜひ立ち寄ってみてください。
また、デニム好きの方は、同じく倉敷市内にある児島ジーンズストリートもセットでまわるのがおすすめ!岡山が世界に誇る児島デニムの魅力を、ぜひその目で確かめてみてください。
<施設情報>
住所:〒710-0046 岡山県倉敷市中央1-10-11
電話番号:086-435-9135
営業時間:9:30~17:30
定休日:なし