IR推進法の成立
2016年12月に日本の観光業界に大きな影響を与える法律が成立しました。IR推進法によって、それまで日本で禁止されていたカジノの建設が可能となったのです。IRは統合型リゾートのことで、カジノに加え、劇場、映画館、プール、ホテル、レストラン、ショッピングモール、会議場、展示場、イベント会場などを備えた複合施設を意味しているのです。
2025-01-09 Obaq
国内では47都道府県、海外では67ケ国を巡っております。この経験をいかし、
幅広い視野で観光スポットの魅力や特徴をお伝えして参ります。
2016年12月に日本の観光業界に大きな影響を与える法律が成立しました。IR推進法によって、それまで日本で禁止されていたカジノの建設が可能となったのです。IRは統合型リゾートのことで、カジノに加え、劇場、映画館、プール、ホテル、レストラン、ショッピングモール、会議場、展示場、イベント会場などを備えた複合施設を意味しているのです。
カジノはヨーロッパを起源とされています。1638年にイタリアでオープンした「カジノ・ディ・ヴェネツィア」が世界最古のカジノと言われています。その後、世界各国に広まり、ラスベカスやマカオには巨大なカジノ街が誕生しました。中国の特別行政区となったマカオには、ポルトガルの植民地時代からカジノが建設されていました。2001年に外国資本に市場を開放したことによって、カジノ都市として急速な成長を遂げました。2006年には、ラスベガスを追い抜いて世界一の利益を上げています。約30.8平方キロメートルのエリアに40前後の大型IRが林立しているのです。各々の施設は夜には鮮やかな彩りのネオンでライトアップされ、眠らない夜を演出しています。
マカオばかりでなく、韓国、フィリピン、カンボジア、ヴェトナム、シンガポールなどのアジア諸国でも数多くのカジノが営業しています。シンガポールには、2011年2月に「マリーナ・ベイ・サンズ」がオープンしました。最高部の高さ約200メートルで57階建ての超高層ビルが3棟、屋上で連結する構造が極めて特徴的です。屋上の約1ヘクタールの空中庭園「サンズパーク」は、シンガポールを360度のパノラマで一望できる展望台として、屈指の観光名所となっています。園内の屋上プールは、世界で最も高いところにあるプールとして大きな評判を呼びました。3つのタワーの中には、2561室のホテル、約12 万平方メートルのコンベンションセンター、約7万4千平方メートルのショッピングモール、美術館、シアター、グラスパビリオンなどが設置される統合型リゾートです。また、地下鉄MRTのベイフロント駅に直結する「マリーナ・ベイ・サンズ・カジノ」の入口から、4階のフロアに15,000平方メートルを超えるゲームスペースが設けられています。テーブルゲームが約600卓、スロットゲームが約1600機並び、単独としては世界最大の規模を誇るカジノとなっています。
世界各国に特徴的な統合型リゾートが数多くの観光客を集客する中、大阪でも新しい施設の建設計画が進んでいます。2023年4月14日に「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画」が国土交通省の認定を受け、計画が加速しています。建設予定地は、大阪湾を埋め立てた約390万平方メートルの人工島の夢洲です。島の北側中央部に、約6万5000平方メートルのカジノ施設の他に、6000人を超える人員を収容できる国際会議場、展示場、劇場、高級ホテルなどの建設が予定されています。
IRの運営はアメリカのMGMリゾーツとオリックスなどで構成された「大阪IR株式会社」が担当することになりそうです。出資する企業としては、パナソニックホールディングスをはじめダイキン工業など、関西の大手企業を中心として凡そ20社が名を連ねています。
2029年末の開業を目指しています。施設のオープン後には年間約2000万人の来訪者を見込み、周辺の関西エリアでは一年で1兆1400億円の経済効果を目論んでいます。ギャンブル依存症への対策として、日本人の入場回数は週3回を上限とし、さらに28日間に10回までという制限が設けられそうです。外国人の入場は無料ですが、日本人は6000円の入場料が必要となる見込みです。
大阪に新設される統合型リゾートは現在計画中で具体的な内容は公表されていません。さらに日本にはまだ統合型リゾートはありません。これでは一体どのような施設ができるかわかりませんが、逆に想像を膨らませてみるのも楽しいかもしれません。
本記事ではマカオ中心部に位置する大堂区に建ち、屈指の規模を誇る「グランド・リスボア」を参考にイメージしてみることにしました。52階建て、高さ約258メートルの巨大な建物が、一つの統合型リゾートです。館内には4フロアに及ぶ広大なカジノの他、全430部屋の高級ホテル、フルサービス・スパ、屋外プール、フィットネスセンター、7軒のレストラン、コーヒーショップ/カフェなどを備えています。
多種類の施設を備えた統合型リゾートには、様々な目的をもった人々が訪れます。玄関は全ての来訪者に快適な印象を与えるデザインとなることでしょう。異なる交通手段で訪れる大勢の人々が、流れるように施設に入ることができるような工夫も望まれます。
玄関から施設内に足を踏み入れたエントランスホールは、きっとゴージャスで解放感があふれる空間となることでしょう。
カジノは、まだ日本にはないので具体的なイメージを作ることは難しいかもしれません。ただ統合型リゾートの中でも、最も魅力に満ちた施設となることは間違いありません。一方でカジノでは、金銭や品物を賭けたゲームが行われます。勝負の現場を開けっ広げにすることはできないでしょう。他の施設とは一線を画すための入口が設けられるに違いありません。ゲートを入ったカジノの空間には魅惑が満ちあふれることでしょう。
ここでご紹介したカジノゲームは、世界中のどこのカジノでも設置されているものですから、大阪に建設が予定されているカジノにも、きっと登場することでしょう。他にもユニークなゲームが数多あります。また同じゲームでも少しルールを変えるだけで、楽しみが何倍にも膨らむようです。大阪に建設される最新のカジノは、世界に類を見ないバラエティーに満ちあふれた施設になることを期待せずにはいられません。