大宮公園
「日本さくら名所100選」の一つに数えられる大宮公園
さいたま市内で、最も多くの人々が花見に訪れるのは大宮公園です。「日本さくら名所100選」の一つに数えられています。園内にはソメイヨシノを中心として、シダレザクラ、ウコンザクラ、ヤエザクラ、カンヒザクラ、サトザクラなど1000本前後の桜が植樹されています。例年3月下旬から4月上旬には一斉に花を開き、公園の一面を早春の色に染めあげます。
県下で最も長い歴史をもつ県営公園
大宮公園は、大宮駅から北東約1.5キロに位置する県営の都市公園です。約67.8ヘクタールもの広大な敷地にわたって広がっています。明治時代の1885年に太政官布達によって氷川公園の名で誕生したのが始まりです。1898年には県が管理するようになりました。その後、日本の「公園の父」として知られる造園家の本多静六が手を加え、現在の大宮公園の原形ができあがりました。県営の公園として県下で最も長い歴史をもっているのです。
桜が最も密集する自由広場
公園内には多種多様の草木が育てられていますが、最も桜が密集しているのは中央に広がる自由広場です。広場で頭上を見上げると、薄紅色の自然の屋根が作られたかのようです。桜の木に混じって赤松の巨木の姿も数多く見かけられ、常緑樹の細長い葉の緑と、柔らかな曲線を描く桜の花の薄紅色が、寄り添うような輪郭線を描きます。
桜が見頃時期を迎えると大宮公園には、昼夜を問わず大勢の花見客がつめよせます。例年、13万前後の人々が訪れているようです。自由広場ではレジャーシートを敷いて飲食を楽しむことができるので、格好の宴会場へと変身します。火気は厳禁とされているためバーベキューなどはできませんが、カラオケをする人はあまり見かけないので、静かに花見を楽しむことができそうです。広場の周囲には隙間をあけることなく多種多様の露店が軒を連ねます。その数は100を超えることも珍しくありません。焼き鳥やお好み焼き、焼きそば、たこ焼きは言うに及ばず、トルコのケバブやタイ料理、豚汁などのスープ類までが揃い踏みし、市街地のグルメ街さながらです。貸ござの店まで姿を現すこともあるので、手ぶらでふらっと来ても、広場に腰をすえることができそうです。
園内には、ゆったりとして開放的な遊歩道が張り巡らされています。頭上では桜が花を咲かせているので、遊歩道は桜のトンネルとなります。公園の北側の舟遊池では、水辺に咲く桜の花が水面に映りこみます。池の西に接する広場は比較的空いているようなので、自由広場で場所を確保できなければ、ここでスペースを見つけることができるかもしれません。
ライトアップされる夜桜
日中に青空を背景とする桜の花も美しいですが、夜桜もとても魅力的です。大宮公園では見頃時期に夜間のライトアップが行われます。19時から21時まで自由広場を取り囲む提灯に灯がともされます。夜の帳が下りた空間にライトアップされた夜桜が、くっきりと浮かび上がり、とてもファンタジックです。
大宮公園は一年を通して季節の色彩に包まれますが、一年中、子どもが楽しめる施設も設けています。自由広場の東側の小動物園は入場無料です。規模は大きくはありませんが、数種類のサル、ツキノワグマ、ヤギ、シカ、ヤマネコ、タヌキの他、鳥舎では珍しい鳥類が飼育されています。小動物園に隣接する小規模遊園地の児童スポーツランドには、小さい子どもでも気軽に安心して乗れる、飛行塔やバッテリーカーなどの乗物や、数々の遊具をそろえています。他にも園内には日本庭園や、サッカー場や野球場などのスポーツ施設が点在しています。
さらに大宮公園の南には、武蔵一宮氷川神社が社殿を構えています。花見の前後に神社に参拝することができます。神社は社記によれば、今から2000年あまり前の紀元前473年頃に、出雲大社から勧請され創立されたと伝わる埼玉県内でも屈指の古社です。首都圏を中心に約280社造営されている氷川神社の総本社の役割を担っています。拝殿の奥の本殿では御祭神として、須佐之男命(すさのおのみこと)、稲田姫命(いなだひめのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと) の三柱を祀っています。新年には例年200万人を超える参拝者が訪れる埼玉県でも最も人気のある初詣スポットです。
<施設情報>
施設名 大宮公園(おおみやこうえん)
住所 埼玉県さいたま市大宮区高鼻町4丁目
電話番号 048-641-6391
入園時間 終日自由
入園料 無料
アクセス JR「大宮駅」東口より徒歩約20分/東武アーバンパークライン「大宮公園駅」または「北大宮駅」より徒歩各々約10分