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香川県が舞台の映画といえばこれ!その聖地を紹介

香川県が舞台の映画といえばこれ!その聖地を紹介

2023-08-08 あっちゃん所長

瀬戸内地方の温暖で穏やかな気候、歴史的な背景も残す香川県は、そこを舞台とする作品もまたその地域性が感じられるものばかりです。今回は香川県が舞台となった作品をいくつか紹介をしてまいります。
あっちゃん所長

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あっちゃん所長

長崎県在住のWEBライターです。読者の方に行きたいと思っていただけるような楽しい記事作成を目指してまいります。好きな旅行先は東京・沖縄・東北、そして地元の九州です。博物館・グルメ・温泉好きな活発なインドアです。

二十四の瞳

戦争の悲惨さを伝える、何度も映像化された名作

香川県を舞台とした作品の筆頭が、壺井栄が1952(昭和27)年に発表をした小説「二十四の瞳」でしょう。


「二十四の瞳」原作者の壷井栄

この作品は、戦争の影が色濃くなる昭和初期から戦後まもなくまでの時代を生きた、島の分教場に赴任した大石先生と12人の教え子の物語です。この物語の舞台は「瀬戸内海べりの一寒村」としか書かれておらず、具体的にどこかということは明言されていませんが、作者壺井栄の出身地である小豆島であるという見方が強いです。
はつらつとしていて洋服姿で自転車を乗り回す姿を見て、保守的な地元の人たちからは「ハイカラ」と揶揄されながらも、こどもたちからの信望は篤かった大石先生と、その教え子の絆の強さ、そして純粋な瞳をしたこどもたちが、世の中が戦争へと突き進んでいく流れに巻き込まれ、人生が狂っていく悲劇性を、今の私たちはどうとらえるのか、改めて見る価値のある作品です。

この作品は、現在(2022年10月)映画2本、テレビドラマ8回、アニメ1回と数多く映像化されています。

映画版について紹介します。

①1954年制作


原作者・壷井栄の発表からたったの2年後に、日本で初めて映画化された作品

1954(昭和29)年、最初の映画が作られます。この作品では、製作者もキャストもみな戦争を実際に生きて来た人だけだったため、その作品への思いもリアルさも込められたものとなりました。監督・脚本は木下惠介、大石先生役に高峰秀子です。
この作品は同年に発表された「第28回キネマ旬報ベスト・テン」で1位となりました。ちなみに2位は同じく木下恵介監督の『女の園』、3位が黒澤明監督作の『七人の侍』でした。どれだけ日本人の心を打ったのかがわかります。
そして、この作品によって、「二十四の瞳=小豆島」というイメージが出来上がったのです。

②1987年リメイク版



1954年版の脚本を手掛けた木下恵介が再び脚本化しました。朝間義隆監督、田中裕子主演で制作されました。三枝成彰が音楽を手がけ、第11回日本アカデミー賞 優秀音楽賞を受賞。
ちなみに、途中で戦死してしまう大石先生の夫役として、その4年後に「101回目のプロポーズ」に出演し、話題となる武田鉄矢が…。

作品の世界を感じられる二十四の瞳映画村



1987年版の映画のロケのセットをそのまま活用した、小豆島にある施設です。
作品で描かれた戦前・戦中の学校や家などの様子が再現されています。


絣の着物を着て、映画村内を回ることができます。


岬の分教場の教室


「二十四の瞳」の舞台となった田浦分校


施設内にある「壺井栄文学館」


坪井栄の作品群を紹介した展示


醤油樽のバス停

<スポット情報>
スポット名: 二十四の瞳映画村
住所: 香川県小豆郡小豆島町田浦
電話番号: 0879-82-2455
営業時間:9:00~17:00
定休日: 不定休
予算: 二十四の瞳映画村 大人(中学生以上)890円 小学生450円
     岬の分教場 大人(中学生以上)350円 小学生180円
     二十四の瞳映画村 岬の分教場セット券 大人(中学生以上)1,000円 小学生500円
URL:https://www.24hitomi.or.jp/




八日目の蝉

極限を生きた母と娘を描いた、角田光代の長編作品

次の作品は、2011年に公開された「八日目の蝉」です。
この作品は角田光代による長編小説を映画化したものです。映画の公開の1年前である2010年にはテレビドラマ化もされています。
愛人の娘である赤ん坊を誘拐した女・希和子の逃亡から逮捕までの話と、その娘・恵理菜の成長後の話から構成されています。
テーマは「母性」。サスペンスのジャンルでありながら、家族の描写が中心です。そこが異質であり斬新ですね。

希和子が身を寄せて働いた「そうめんや」 創麺屋



創麺屋は、小豆島の霊場八十八ケ所15番札所となる大師堂のすぐそばにある手延べそうめんの製造・販売会社です。
小豆島において、手延べそうめんの製造は、400年以上も続いている伝統産業です。非常に念入りに、繊細な作業を繰り返していき、製麺しています。
その製造の工程の見学や希和子がしていた箸分けの体験もできます。
そうめんだけでなく、うどんやそばなども扱っています。

<スポット情報>
スポット名:創麺屋 株式会社
住所: 香川県小豆郡小豆島町木庄甲226番地2
電話番号: 0879-82-5790
営業時間:8:00~18:00
定休日: 日曜日
URL:http://www.soumenya.jp/

幼き恵理菜と希和子が訪れた寒霞渓



寒霞渓(かんかけい)は、小豆島にある渓谷で、大分県耶馬渓、群馬県妙義山にならんで日本三大渓谷美のひとつとされています。また、霧島、雲仙とともに日本で最初に国立公園に指定された「瀬戸内海国立公園」の中にも含まれています。
寒霞渓は1,300万年前に起きた火山活動の後、長い年月をかけてなされた地殻変動や浸食作用によって現在の複雑な渓谷が形成されました。そこに自生しているそれぞれの季節の木々の景色はまさに絶景です。



寒霞渓へは「寒霞渓ロープウェイ」が便利です。ロープウェイの麓側の駅である「こううん駅」まではバスやタクシーも走りますので便利です。

<スポット情報>
スポット名: 寒霞渓
住所: 香川県小豆郡小豆島町神懸通乙168
電話番号: 0879-82-2171(寒霞渓ロープウェイ山頂駅)

中山地区の千枚田での虫送り



虫送りとは、松明をかざし、「とーもせ、ともせ」と声を掛けながら棚田を歩いてまわる年中行事です。稲に虫がつかないようにすることで豊作を願うものです。この行事は300年も前から毎年行われてきたのですが、人が少なくなったことを原因に数年間途切れてしまっていました。ところが、映画「八日目の蝉」で知られるようになってから復活を遂げたのです。

希和子が見つけられた衝撃の現場 福田港フェリーターミナル



警察などからずっと逃げ続けた希和子でしたが、小豆島に逃げ込んだ後、この福田港で逮捕されてしまいます。
小豆島にはいくつかの港があり、それぞれからさまざまな目的地のフェリーが発着しています。福田港は小豆島の北東端にあり、姫路港のみとフェリー路線(1日7便)でつながっています。利用客はそこまで多くなく、静かな雰囲気です。切符売り場が横にあり、きれいです。そこにはこの映画の役者の方のサインも飾られています。
ファンの方なら、外せないスポットですね。

<スポット情報>
スポット名: 福田港フェリーターミナル
住所: 香川県小豆郡小豆島町福田
電話番号: 0879-84-2220
営業時間:福田港発(始発)7:50 福田港着(最終)21:10
定休日: 不定休

希和子が恵理菜のためにパンを買ったお店 おみやげ中川商店



福田港からすぐの場所にある商店です。映画の中では、希和子の逮捕の直前に、恵理菜にパンを買ってあげたときに利用したお店として登場しました。

<スポット情報>
スポット名: 中川商店
住所: 香川県小豆郡小豆島町福田甲1196-59
電話番号: 0879-84-2141

まとめ

ここでは香川県を舞台とした映画を2つ紹介いたしました。穏やかな気候と人柄の地。どちらも小豆島が舞台のものを選びましたが、その穏やかな場所でありながらも過酷な人生を歩む主人公たちがそこに登場します。そのようなギャップは、まさに私たちの人生もまたそうなのかもしれません。この島、また香川県を訪れる機会がありましたら、ゆったりと時間を過ごしながら、人々の描く人生模様や人の世について思いを馳せてみてはいかがでしょう。そのようなもの悲しさを思えば思うほど、目に飛び込んでくる景色が美しく感じられるものなのかもしれません。

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