国立国際美術館
竹の生命力が宿る斬新なデザインが目を引く外観
国立国際美術館は、大阪市北区中之島で第二次世界大戦以後の国内外の現代美術をメインとして収集、保管、展示する美術館です。当初は、1970年に開催された日本万国博覧会のパビリオンとして建設された万国博美術館を活用してオープンしました。その後2004年に中之島の西部地区に新館が建設され移転したのです。リニューアルした新館は、シーザー・ペリ アンド アソシエーツジャパンによって設計されました。竹の生命力に加え、現代美術の発展と成長をイメージした斬新なデザインが一際、目を引きます。エントランスをはじめとして講堂、レストラン、ミュージアムショップなどは地下1階に設けられ、通常は地下2階で所蔵作品によるコレクション展、地下3階で企画展が行われる完全地下型の美術館ということも極めて特徴的です。
1945年以降の現代美術作品をメインとする8000点を超えるコレクション
収蔵品は1945年以降の世界中の作家の作品をメインとし、現在では8000点を超える作品を保管しています。横尾忠則、浜口陽三、草間彌生、杉本博司、柳原義達、河原温、田中一光、森村泰昌、菅木志雄、藤田嗣治、高松次郎、舟越桂、舟越保武、堂本尚郎、千住博、ヤノベケンジ、李禹煥、ヘンリー・ムア、マックス・エルンスト、カンディンスキー、パブロ・ピカソ、ポール・セザンヌなど、世界の美術界をリードした個性的な作家が揃っています。特に横尾忠則のポスター作品は900点を超え、浜口陽三の版画と素描は400点を超える充実ぶりです。
地下の展示室で行われるコレクション展と企画展
膨大なコレクションは定期的にテーマを設定して、地下2階の展示室で公開、展示されています。また地下3階の展示室では多種多様の企画展が行われています。2023年2月4日から5月21日に開催された「ピカソとその時代・ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」は、大きな話題を呼びました。コレクション展や企画展のテーマは偏ることがないので、繰り返し訪れても飽きることはないでしょう。一般的に難解だと言われることもある現代美術が、徐々に身近なアートとして感じられることでしょう。
美術的な感性を磨く充実した体験型プログラム
国立国際美術館は、美術関係者にとっては欠かせない重要な施設なのですが、これまでアートに関心のなかった人や興味をもち始めた人のための「体験型プログラム」を多数そろえています。「NMAOびじゅつあー」では、美術館のスタッフと作品のスライドトークを楽しんだ後に、コレクション展を鑑賞します。
大人ばかりでなく、子どものための「こどもびじゅつあー」も開催されています。先入観のない子ども達が、自由にアート作品から受けた印象を語り合えるのです。きっと美術的な感性が磨かれていくことでしょう。
他にも、作家や、研究者、デザイナー、美術館関係者などを講師として招いた「ワークショップ」も頻繁に開催されています。
地下1階の情報コーナーには、過去の展覧会のカタログが勢揃いするばかりでなく、書店では見かけることのない美術書がずらりと並んでいます。棚から書籍を取り出し、ページをめくっていくに従って、美術に関する知識を広めることができるでしょう。
<基本情報>
住所:〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島4-2-55
アクセス:京阪中之島線「渡辺橋駅」より徒歩約5分
電話番号:06-6447-4680
開館時間:通常=10:00~17:00(入場は16:30まで)/毎週金・土曜日=10:00~20:00(入場は19:30まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌火曜日に休館)、年末年始(12月28日~1月3日)、展示替え期間
コレクション展入館料:一般=430円/大学生=130円
公式サイト:https://www.nmao.go.jp/