鞆の浦・崖の上のポニョ
日本を代表する映画監督、宮崎駿監督が2008年に制作した作品です。お子様から大人まで幅広い層に支持されているスタジオジブリ制作なので、ご存知の方も多いと思います。
興行収入は155億円、観客動員数1200万人以上とスタジオジブリ作品の中でもトップクラスに人気のある作品です。ジブリ作品ではお馴染みの久石譲によって作られた歌は一斉を風靡しました。「ポ~ニョポニョポニョさかなの子~」というフレーズが記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
あらすじ
「人間の女の子になりたい!」と願う魚の女の子、ポニョが海辺の街に住む5歳の男の子、宗介に恋をするという物語です。2人のかわいらしい恋模様やポニョが人間になるまでの過程が描かれています。
舞台は鞆の浦
『崖の上のポニョ』の舞台は福山市鞆の浦とされています。日本で最も美しい港町と呼ばれており、その美しさに宮崎駿監督も惚れ込んだようです。
築100年を超える歴史ある建物や石畳が重厚な雰囲気を作り出しています。路地裏には迷路のような細い道が広がっています。古き良きまちが昔のまま残っており、鞆の浦のシンボルとなっているのが常夜灯です。江戸時代の港湾施設、常夜燈・雁木・波止・焚場跡・船番所跡の5点セットがほぼ完全な形で残っており、絵の描写としてもよく使われます。また、ここまできれいに残っているのは珍しく、日本で唯一だそうです。
〈施設情報〉
施設名:常夜灯
住所:福山市鞆町鞆843-1
アクセス:JR福山駅南口から鞆鉄バス鞆線で「鞆港」下車 徒歩10分
電話番号:084-928-1043(観光課)
時間:常時
休み:なし
料金等:なし
ポニョが隠れている!?
鞆の浦のまちにはポニョが隠れています。ポニョの石や、レトロなネコバスなど、鞆の浦の方からジブリ作品が愛されていることが分かりますね。
宮崎駿監督がデザイン!?
『御舟宿いろは』はかつて坂本龍馬が宿泊したとされる町家を宮崎駿監督のデザインのもと改装したカフェ兼宿泊施設です。築220年と、鞆の浦の中でも特に歴史の古い建物です。1階がレストラン、2階が宿になっています。美しい中庭もあり、素敵な空間が広がっています。
店内には宮崎駿監督のスケッチが飾られていてジブリファンは必見です。
宿泊客でなくてもランチやディナーを楽しむことができ、名物は鯛茶漬けです。瀬戸内の脂の乗った鯛を酒や昆布に一週間以上漬けており、とても人気です。まずはそのまま食べ、〆はお茶漬けにして食べてみてください。ディナーは瀬戸内を丸ごと味わうことが出来るコース料理になっています。新鮮なお魚や野菜を使った料理はどれも絶品です。
宿泊するのは蔵を改装して造られたお部屋で、築220年の迫力を感じることができる高い天井と家を支えてきた梁がとても立派です。朝やお昼は外からの自然光が差し込み、夜は間接照明で落ち着いた雰囲気を醸し出しています。広々とした和室の部屋なので家族や友人、恋人とのんびりとした贅沢な時間を過ごすことができますよ。
〈店舗情報〉
店舗名:御舟宿いろは
住所:広島県福山市鞆町鞆670
アクセス: 山陽新幹線、山陽本線、福塩線福山駅からトモテツバス鞆港(ともこう)行きを利用
営業時間:LUNCH 11:00〜14:00、STAY 15:00〜 check in
定休日:火曜日
電話番号:084-982-1920(受付時間:10時〜17時)
個室:無し
駐車場:有り
ホームページ:https://www.tomo-iroha.jp/
呉市・この世界の片隅に
2016年に公開された長編アニメーション映画です。こうの史代の漫画を原作に、脚本家兼監督の片渕須直によって制作されました。2016年11月12日に公開されて以来、口コミを中心に広がりを見せ、2019年12月まで1133日間にわたるロングラン上映されたことで話題となりました。この記録は日本で史上最長記録です。また、日本国内にとどまらず、世界各国でも上映され60カ国以上の国と地域で上映されました。第40回日本アカデミー賞最優秀賞アニメーション作品賞など数多くの賞を受賞しました。
あらすじ
1944年2月に広島から呉へと嫁いだ主人公のすずが、戦時中で物品や食べものが不足する中で明るく強く生きていく話である。翌年の広島市内への原爆投下によって大切なものを失い悲しみに襲われますが、呉でたくましく生きていきます。波乱万丈で劇的な生活を描いた作品というよりは、戦争を経験した一般的な女性の生活を表現した作品となっています。
中心となった舞台は呉市
主人公のすずの嫁ぎ先である広島県呉市が『この世界の片隅に』の舞台の中心になっています。呉市は日本で最大級の軍港だったことで知られています。造船業が栄えており、戦艦「大和」を建造しました。その設備は東洋一とも呼ばれ、ゆえに戦時中は攻撃の対象にもなりました。呉は現在でも海上自衛隊の基地があり、造船業が営われています。
製作委員会によって『この世界の片隅に』の舞台となっている場所はロケーションマップとして配布されているので、聖地巡礼を楽しみたい方は入手してみてください。
聖地巡礼をしてみよう
現存している建物としては、「呉駅」、嫁ぎ先の「辰川バス停」、「国立呉病院前の階段」、「小春橋」、「美術館通り」、「下士官兵集会所」などがあります。「下士官兵集会所」(現・海上自衛隊呉集会所)はすずの夫・周作が勤務していた場所で、すずが周作に帳面を届けに行くシーンで登場します。
この集会所から高台へと伸びる道が「美術館通り」で、その綺麗な並木の坂道を登っていくと周作の父・円太郎が入院していた「国立呉病院前の階段」が見えてきます。この階段は映画とかなり近い雰囲気のまま残っているので、ぜひ足を運んで見てください。
市街地の中心部を流れている堺川にかかる橋の一つに「小春橋」があります。すずと周作が二人きりのデートをした場所として映画を見た方の記憶に残っているのではないでしょうか。現在も変わらずに残っており、後ろには呉のシンボルである灰が峰を拝むこともできます。
せっかくなので観光も
せっかく呉市に来たのなら「大和ミュージアム」にも行ってみてください。1941年に呉市の海軍直轄工場で最先端の技術を使いながら超極秘に建造された世界最大の戦艦「大和」の歴史を学ぶことができます。「大和ミュージアム」には、全長26.3mもある10分の1サイズの戦艦大和の模型が展示されており、規模に驚くと思います。
また、残酷だけど実際に日本軍が使用していた人間魚雷の試作品や、零戦(零式艦上戦闘機)などの貴重な展示物も多くあります。お昼時であれば「大和ミュージアム」内のレストランでランチしてみてはいかがでしょうか。国民食の一つであるカレーライスは海軍が発祥だそうです。「大和ミュージアム」でも海軍カレーを楽しむことができますよ。
〈施設情報〉
施設名:大和ミュージアム
住所: 〒737-0029 広島県呉市宝町5-20
電話番号:0823-25-3017
電話番号:084-928-1043(観光課)
開館時間:展示室・ミュージアムショップ9:00〜18:00(展示室入館は17:30まで)
ライブラリー9:00〜17:00
休み:火曜日
料金:大人500円、高校生300円、小中学生200円
ホームページ:https://yamato-museum.com/
竹原市・たまゆら
『たまゆら』は2010年に放送された日本のアニメ作品で、佐藤順一監督によって製作されました。広島県竹原市を舞台とし、写真好きの女子高生である沢渡楓と彼女の友だちの日常を描いたアニメです。毎年WEB投票によって決まる「訪れてみたい日本のアニメ聖地」88箇所に2018年から2021年の4年間に渡り選ばれています。
「安芸の小京都」竹原市
竹原市は「安芸の小京都」と呼ばれるほど美しい町並みが残っていることで有名です。『たまゆら』では、町並み保存地区でもある竹原市の古い町並みや、海と山に囲まれた美しい風景が描かれており、心が癒されます。江戸時代に製塩と酒造業で栄え、湧き出る清浄な水を使用して今でも製塩や酒造業が盛んに行われています。
聖地巡礼をしてみよう
「たまゆら聖地巡礼マップ」が作成されており、とても詳しく舞台となった場所の説明が記載されています。外国人向けに英語のパンフレットもありますよ。このマップを頼りに聖地巡礼スタートです。
道の駅たけはらでグッズを販売中
観光の拠点である「道の駅たけはら」では『たまゆら』の等身大のパネルやマンホールなどがあります。『たまゆら』ファンにはたまらない空間ですね。思わず写真をたくさん撮ってしまいます。またグッズも充実しており、財布の紐がゆるんでしまいますね。
〈施設情報〉
施設名:道の駅たけはら
住所:〒725-0022 広島県竹原市本町1丁目1-1
アクセス:河内IC(最寄)より約30分、竹原駅より約600m
電話番号:0846-23-5100
時間:9:00~17:00
休み:毎月第三水曜日、年末年始
まとめ
今回は広島県が舞台のアニメについてまとめ、そのロケ地をご紹介しました。昔から多くの人が集まり、歴史のある広島県を舞台にした作品はたくさんあります。 豊かな自然や美しい町並みが描写されたシーンや、戦争の悲惨さを感じるシーンなどさまざまな場所があります。聖地巡礼のマップを製作している自治体もあるので、ぜひ実際に足を運んでアニメの中の世界に没頭してみてください。