お気に入り 日本語 USD

壮大なスケール感! 福島県で魅力的なインスタ映えスポット5選

壮大なスケール感! 福島県で魅力的なインスタ映えスポット5選

2024-10-10 香田あつし

首都圏側から見て東北地方の玄関口ともいえる福島県。広大な県の面積とともに、東日本大震災で太平洋側が大きな被害を受けたことでも印象的な県です。この記事では福島県エリアの観光地をぜひ旅行先に含めてもらえるよう、訪れてみたくなる魅力的なインスタ映えスポットを5カ所取り上げました。ぜひ次のお出かけ先探しの参考にしてみてください。
香田あつし

この記事を書いた人

香田あつし

兵庫県出身。自分の知らない世界を見られるならたとえ地球の裏側にでも行ってしまうような人間です。食べることと交通、特に鉄道が大好き。読む人の旅のクオリティが最大限上がるような情報をご提供します。

安積疏水




まずご紹介するのは、郡山市にある安積疏水(あさかそすい)です。「疏水」とは湖などの水源から、水のない地域へと水を引く目的で造られた人工的な水路のことです。明治時代に建設された安積疏水は、当時の技術だけでなくこの疏水にかける人々の願いや情熱までも現代に伝えているかのよう。水路やダム、橋、発電所など見どころ満載の巨大構造物です。




日本には3つの大規模な疏水が存在します。琵琶湖疏水、那須疏水そして安積疏水です。安積疏水の大きなポイントは、猪苗代湖から奥羽山脈をトンネルでぶち抜いて水を通しているということ。地図上でも存在感を放つ山岳地帯を約140年も前に攻略していたと考えると、なんだかロマンを感じてしまうのではないでしょうか。実際、安積疏水の開通と現在の郡山市の発展に大きな関係があるのは言うまでもありません。

安積疏水建設の歴史を語る上で欠かせない人物が、オランダ人技師ファン・ドールン。彼はもともと日本海側に流れる猪苗代湖の水を、大きな弊害なく郡山側にも流せることを計算し実証しました。安積疏水のシンボルともいえる十六橋水門はそのための主要な施設で、猪苗代湖の水位を調整する役割を担っています。機能性に富むだけでなく、石の積まれた橋脚部分はレトロ感も醸し出しており雰囲気が漂います。




安積疏水は単なる歴史的遺構ではなく、現代でもなお活躍をつづけながら地域の人々の暮らしを支えています。もともとは農業での利用を目的としていた疏水事業ですが、建設の後に水力発電や飲用水にもと、用途は広範に及ぶようになりました。もはやこの地において人々の生活の根幹ともいえる縁の下の力持ち。ぜひその偉大さを自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか。

あぶくま洞




当然ながら大抵の観光地は地上の風景や施設を楽しむものですが、時には地面の下にある世界を楽しむのも良いものです。福島県の阿武隈高地には、石灰岩や大理石のような岩石が採掘されるカルスト台地が広がっています。その地下に広がるのが、現在「あぶくま洞」と呼ばれている鍾乳洞。悠久の時を経て地球が作り上げてきた芸術作品を、ぜひその目で確かめに行きましょう。

2023年1月の時点では、公開されていない部分も含め総延長およそ3300メートルと推定されるあぶくま洞。日本国内には数多くの鍾乳洞が存在していますが、あぶくま洞の特徴を挙げるとするならば鍾乳石の種類と数。バラエティに富む形状の鍾乳石にはそれぞれユニークな名前が付けられており、調光システムによる演出により一つのエンターテインメント作品としての楽しみ方ができることでしょう。




あぶくま洞は基本的に600メートルの一般コースと、その途中にある分岐から入っていく120メートルの探検コースで構成されています。探検コースはその名の通り比較的難易度の高い道のりとなっており、かがんで進まなければいけなかったり天井が低かったり、足場が悪い場所もあるなど、より注意が必要となります。しかし見られる鍾乳石はさらに広がり、冒険気分もより味わうことができるので興味のある人にはおすすめのオプションです。

季節ごとに開催されるイベントはあぶくま洞を訪れてみる良いきっかけです。たとえば6月中旬から7月上旬にかけて開園されるのはラベンダー園。約5万株ものラベンダーを眺めつつ、各種体験教室を楽しめます。他にも魅力的なのはあぶくま洞限定の洞内貯蔵ワイン「たきね北醇」。地元産の山ぶどうを原料とし、年間を通じて安定している洞内環境を活用して貯蔵された味わい深いワインです。こちらも訪れる際にはぜひ試してみたいところです。

<施設情報>
施設名:あぶくま洞
住所:〒963-3601 福島県田村市滝根町菅谷東釜山1
電話番号:0247-78-2125
公式サイト:https://abukumado.com/

大内宿




福島県を代表する、日本の伝統的建造物が並ぶ観光地として知られる大内宿(おおうちじゅく)。飛騨の白川郷のようないわゆる「日本らしさ」が味わえるスポットとしてにぎわいを見せています。

参勤交代をはじめ江戸時代の交通において、各地に設けられた宿場町は道中の人々を迎え入れる大きな役割を果たしていました。大内宿もその一つでした。しかしやがて集落から離れたところに鉄道や主要な道路が通ることで取り残され、現在までそのままの状態を残す主な要因となっています。1981年4月には国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定され、変わらぬ姿を保ち続けています。




大内宿の伝統家屋において最も印象的なパーツは茅葺き屋根です。江戸時代から続く伝統的な手法は、集落の人々による保存活動の賜物で現在でも変わらず受け継がれています。さらに火に弱いという茅葺き屋根の決定的な短所を補うため、毎年9月1日には一斉放水訓練が行われています。1つのイベントとして見に訪れる人も多いので、興味のある方はぜひいかがでしょうか。




400年もの年月が流れてなお、ほぼ同じ景観を保ち続けているだけでもすごいこと。しかしそれだけでなく、現在でも店舗兼住居として実際に使用されているのがさらなるポイントです。国から選ばれた保存地区というだけあり、「売らない・貸さない・壊さない」の3原則を守りながら本物の村を未来へと引き継いでいるのは注目に値します。

<施設情報>
施設名:大内宿
住所:福島県南会津郡下郷町大字大内
電話番号:0241-68-3611
公式サイト:https://ouchi-juku.com/

霊山




福島県の北側、伊達市と相馬市の境には霊山(りょうぜん)と呼ばれる岩の険しい起伏を特徴とした山があります。標高は825メートルとそこまで高くはありませんが、国の名勝や日本百景など観光地として数多くの称号をもちます。さらに日本の歴史においても大きな出来事に関わっている興味深い背景をもつのもポイントです。




ごつごつとした玄武岩を主成分とし、全体的に起伏に富んだ地形をしています。奇岩とも呼べる特徴的な形状をした岩が多く見られ、荒々しい風景は宗教的な聖地として扱われるのももっともと思わせる雰囲気を漂わせます。その一方で、各展望所からの眺めはとても素晴らしいと評判です。

日本史が好きな方であれば、室町時代の南北朝についてご存じかもしれません。霊山城は当時、南朝方の有力武将・北畠顕家の拠点とされていたことでも知られています。彼の死がターニングポイントの1つとなったとされている南北朝時代。歴史好きの方は興味をそそられるかもしれないですね。




岩肌の目立つ霊山ですが、秋には紅葉とのコンビネーションが抜群です。例年10月下旬から11月上旬になると登山客が多く訪れます。

塔のへつり

最後にご紹介するのは、川沿いで印象的な光景を作り出している自然の芸術作品「塔のへつり」です。こちらも観察すればするほどその造形美に圧倒されてしまうスポットの1つです。福島県を訪れる際には行きたい場所候補の上位にくるのは間違いありません。




国の天然記念物に指定されている塔のへつり。「へつり」とは全国的には聞きなれない言葉ですが、これは会津地方の方言の1つ。川に迫った険しい断崖のことを指すようですが、今となってはこの場所を指す専用の単語となっているも同然と言えるでしょう。

長さおよそ200メートルほどの渓谷に大規模な奇岩が整列しているのが塔のへつりの最大の特徴です。どうして整列しているかというと、長年の水の侵食及び風化作用によって川岸の柔らかい部分から削れていったため。自然の力というのは目に見えないようで時に凄まじい結果を目の当たりにさせてくれるものです。

郊外にある渓谷なので当然クルマで訪れるのが便利ですが、首都圏からのアクセスは会津鉄道会津線の利用も大変おすすめです。「塔のへつり」駅で下車して徒歩10分程度で着くため、サクッと観光を開始することができるのはとても魅力的です。

まとめ

以上、福島県で行ってみたくなるインスタ映えスポット5選でした。人々の営みや自然と共存するための取り組みが垣間見られる場所、また圧倒的な自然の力が創り上げたスケール感満載の景勝地もあったりと、さまざまな表情を見せてくれる県だということがよく分かります。ぜひあなたのインスタアカウントを福島県の写真で飾ってみてはいかがでしょうか。

おすすめ記事