お気に入り 日本語 USD

【埼玉】四季折々に豊かな表情が満ちあふれる長瀞

【埼玉】四季折々に豊かな表情が満ちあふれる長瀞

2022-12-22 Obaq

埼玉県北西部の長瀞は都心から2時間前後で訪れることができます。秩父鉄道の長瀞駅をとりかこむように荒川や宝登山の自然が満ちあふれています。河原や山肌は季節の移ろいに従って色彩や表情を変え、四季の表情を楽しむことができます。荒川ではライン下りの木造船やラフティングボートが水の流れに乗っかります。河川敷にはキャンプ場も設けられ、ウォーターフロントのアクティビティが揃っています。火祭り、船玉まつりなどのイベントも開催され、長瀞は繰り返し訪れたくなる観光スポットです。
Obaq

この記事を書いた人

Obaq

国内では47都道府県、海外では67ケ国を巡っております。この経験をいかし、
幅広い視野で観光スポットの魅力や特徴をお伝えして参ります。

長瀞観光の拠点となる長瀞駅

長瀞観光の拠点となるのは秩父鉄道の長瀞駅です。木造の駅舎は1997年には「関東の駅百選」に選定されています。駅前には観光案内所が設けられているので、長瀞の詳しい観光情報を得ることができます。

隆起した結晶片岩が畳を敷きつめたように広がる岩畳

長瀞駅から東に繋がる岩畳商店街を約300メートル歩くと荒川にぶつかります。川の両岸は隆起した結晶片岩が畳を敷きつめたように広がる絶景です。西岸には秩父赤壁と呼ばれる絶壁が見られるばかりでなく、菊水模様を浮き彫りにしたような岩、虎の肌を連想させる縞模様の岩など、自然によるアート作品がパノラマで広がっています。岩畳に沿って流れる荒川は穏やかで、潤いを感じることができます。

ゆるやかな荒川の流れに乗る長瀞ラインくだり

岩の畳に腰をかけて荒川の流れを眺めるだけではなく、長瀞では水の流れを実際に体験することができます。長瀞を訪れた人の大半が乗船するのが、長瀞ラインくだりです。「瀞」は川の流れがゆるやかなことを意味しています。瀞が長く続くエリアであることから、地名が長瀞となったのです。長瀞ラインくだりでは、数十人乗りの木造船でゆっくりと川面を滑るようにくだるのです。船頭さんが川の流れに合わせて一本の竿を巧みにさばきながら船を前に進め、個性あふれるガイドで乗客を楽しませてくれます。

船のルートには撮影スポットが設けられ、スタッフの方が記念写真を撮ってくれます。船に乗っている自分の写真は自分では撮れないので、気の利いたサービスです。

長瀞ラインくだりは、岩畳の河原を中心に2つのコースが設けられています。上流側は親鼻橋から岩畳のAコース、下流側は岩畳から高砂橋のBコースです。いずれも約3キロのルートで、20分前後の船旅となります。長瀞のゆるやかな流れの中でも急流スポットがあり、Aコースの「小滝の瀬」、Bコースの「大河瀬」ではスリルを味わうことができます。

<施設情報>
施設名 長瀞ラインくだり(ながとろらいんくだり)
住所 埼玉県長瀞町埼玉県長瀞町長瀞489-2
電話番号 0494-66-0950(団体専用予約は0494-66-0940)
営業期間 3月上旬から12月上旬、1から2月は<ぽんぽん こたつ船>として営業
定休日 荒天時・増水時・渇水時
設備 トイレ利用可能
予算 ラインくだり(AまたはBコース各3km・約20分)=大人1800円、3歳から小学生900円/ラインくだり(全コース6km・約40分)=大人3300円、3歳から小学生1600円/(10名以上の団体は割引あり)

身近に水の流れを感じるラフティングやカヤック

木の船でのんびりと川の流れを感じるよりアクティブな体験したい人におすすめなのは、ラフティングです。数人でゴム製のボートに乗り、パドルで漕ぎながら荒川をくだるのです。

長瀞ラインくだりでは船頭さんが進路を決めますが、ラフティングではチームでボートの方向を決めることができます。急流を選んでボートを進めればスリリングとなります。長瀞にも随所に急流スポットがあるのです。水しぶきを上げながら水面を上下するときは、スリル満点です。

川の流れを一人占めしたければ、カヤックがおすすめです。ゴム製のボートに足を前に投げだすようにして座り、ダブルブレードパドルで漕いで前進します。瀞にのんびりと浮かぶも、急流を激走するも乗船者次第です。

岩畳の河川敷から約1キロ上流にあるアウトドアセンター長瀞では、ラフティングやカヤックの体験をサポートしてくれます。施設には各種のボートやパドルが準備されるだけではく、インストラクターの指導を受けることもできるので、初心者でも気軽にチャレンジすることができます。

<施設情報>
施設名 アウトドアセンター長瀞
住所 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1429
電話番号 0494-66-4165

荒川沿いの長瀞オートキャンプ場でBBQ

岩畳を中心とする荒川では一日中、さまざまなアクティビティで川遊びを楽しむことができますが、エネルギーの補給も重要です。岩畳から下流に約1キロの河川敷には長瀞オートキャンプ場が設けられています。川遊びの合間にBBQで、腹ごしらえをすることができます。グランピングコテージやバンガローなどの設備も充実しているので、満天の星を眺めながら夜は、魅力的になるに違いありません。

<施設情報>
施設名 長瀞オートキャンプ場
住所 埼玉県秩父郡長瀞町大字井戸559-1
電話番号 0494-66-0640
営業期間 3月10日から12月26日

荒川の西に聳える宝登山

岩畳の河原から長瀞駅を越え、西に約2キロのところに標高約470メートルの宝登山が聳えています。ハイキングコースが設けられ小高い山は自然に包まれ、川とは異なる魅力が満ちあふれています。

冬から春への季節変わりを告げる宝登山ロウバイ園

宝登山の山頂には宝登山ロウバイ園が設けられ、約15,000平方メートルの敷地に和臘梅、素心、満月の3品種のロウバイが植栽されています。例年、冬から春に向かう12月下旬から2月下旬には、約3, 000本のロウバイが透きとおるような淡い黄色の花を咲かせます。

<施設情報>
施設名 宝登山ロウバイ園
住所 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞2595
見頃時期 例年12月下旬から2月下旬

関東でも屈指の品種を誇る宝登山梅百花園

宝登山のロウバイに続いて山頂を覆うのは紅白の梅です。宝登山ロウバイ園に隣り合うように宝登山梅百花園が整備されています。園内には、早咲きの冬至、寒紅梅をはじとして、月の三銘花(満月・田毎の月・滄溟の月)など約170品種の梅が育てられています。例年2月上旬から3月下旬には約470本の梅が咲き乱れ、宝登山の山頂はかぐしい梅の香りで包まれます。

<施設情報>
施設名 宝登山梅百花園
住所 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞2595
見頃時期 例年2月下旬から3月下旬

宝登山の山麓と山頂を結ぶロープウェイ

宝登山の山頂へは宝登山ロープウェイを利用するのが便利です。

宝登山ロープウェイは、山麓駅から山頂駅までの全長約830メートルを、50名乗りの2台のゴンドラが約5分で結んでいます。山麓駅から長瀞駅までは、シャトルバスが運行されているので、長瀞駅から宝登山の山頂まで疲れることなく登ることができます。

<施設情報>
施設名 宝登山ロープウェイ
住所 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1766-1
電話番号 0494-66-0258
予算 片道=大人490円、小人250円/往復=大人830円、小人420円

「日本さくら名所百選」に選ばれる長瀞の桜

梅に続いて長瀞を季節の色に染め上げるのが桜です。例年3月下旬から4月下旬には、「長瀞桜まつり」が開催されています。長瀞の桜は「日本さくら名所百選」の一つに数えられる全国でも屈指の名所です。最大の特徴は1ケ月以上の長い期間にわたって随所で、桜の花が楽しめるのです。梅の花が咲き残る3月下旬には、「大手の桜」、「法善寺」、「伊奈桜」、「岩田桜」などのエドヒガンザクラ、シダレザクラが、順に花を開きます。

最盛期は4月上旬で、長瀞駅の南北につながる「北桜通り」、「南桜通り」は、全長約4キロの長い桜のトンネルに大変身します。延々と続くソメイヨシノの並木には圧倒されてしまいます。

時期を同じくして長瀞駅から宝登山に向かう参道も、すっかり春色の化粧をまといます。

4月中旬になると宝登山の山麓の「通り抜けの桜」に育つ約30種類のヤエザクラが、ピンク色の花を咲かせます。4月下旬まで約500本の桜が、斜面の上下に重なり合いながら空間的な彩りを見せてくれます。

荒川沿いの渓谷や宝登山を彩る秋の紅葉

春には多種類の桜で彩られる長瀞ですが、それにひけをとらないのが、秋の紅葉です。例年10月下旬から11月下旬には、荒川沿いの長瀞渓谷は紅葉のカーテンが引かれたかのような姿を見せてくれます。長瀞ラインくだりに乗って川を下れば、両岸は映画のスクリーンのように季節の彩りが、ゆっくりとアングルを変えながら流れていきます。

岩畳の河原から上流に数百メートルの「月の石もみじ公園」では、「長瀞紅葉まつり」の開催期間中には夜間のライトアップが行われます。約50本のオオモミジなどが暗闇の中で幻想的な姿を見せてくれます。

紅葉で彩られるのは荒川沿いの渓谷ばかりでなく、宝登山も全体が秋色で覆われます。ハイキングコースを歩けば、秋の色彩を鷲づかみすることができます。

宝登山ロープウェイに乗れば約5分の乗車時間で、標高ごとに変化する色彩の変化を楽しむことができます。

日本武尊が創建したと伝わる宝登山神社

長瀞の冬は埼玉県では最も厳しいのですが、宝登山の山麓に社殿を構える宝登山神社は、有数の初詣スポットとして多くの人々が訪れています。西暦110年頃、日本武尊の東征の際に創建されたと伝わる神社の境内には、神聖な雰囲気が漂います。1874年に権現造りで再建された本殿を囲む、鮮やかな彩りの『二四孝』の欄間彫刻には目を引かれます。

<施設情報>
施設名 宝登山神社
住所 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1828
電話番号 0494-66-0084

長瀞に春の訪れを告げる「長瀞火祭り」

豊かな自然ばかりでなく、悠久の歴史を育んだ長瀞では、一年を通して多種多様のお祭りが開催されています。中でも「長瀞火祭り」は毎年3月第1日曜日に行われ、長瀞に春を告げる行事として定着しています。クライマックスでは、修行僧が燃え盛る炎の中に飛び込み、裸足で走り抜ける迫力満点の荒行が行われます。

<イベント情報>
祭り名 長瀞火祭り
開催日 毎年3月第1日曜日
会場 宝登山麓火祭り会場
住所 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1753
電話番号 0494-66-3424(長瀞火祭り奉賛会)

2隻の万灯船が長い瀞を上下する「長瀞船玉まつり」

全ての日本人が先祖の霊を慰めるお盆の時期に、岩畳の河原では「長瀞船玉まつり」が行われます。400を超える提灯を組み上げた2隻の万灯船が、秩父屋台囃子を奏でながら長い瀞を上下します。

<イベント情報>
祭り名 長瀞船玉まつり
開催日 毎年8月15日
会場 長瀞岩畳
住所 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞
電話番号 0494-66-3311(長瀞町観光協会)

まとめ

長瀞は荒川や宝登山の自然に恵まれ、季節ごとに表情を変えます。川や山をいかしたアクティビティも豊富に準備されています。訪れた人々は各々の好みに合わせて楽しみ方を選択することができるのです。

おすすめ記事