お気に入り 日本語 USD

熊本県ゆかりのアニメ・ドラマの聖地を2つ紹介

熊本県ゆかりのアニメ・ドラマの聖地を2つ紹介

2023-02-01 あっちゃん所長

アニメや映画・ドラマといったストーリーのある作品は、時としてある特定の地域や街を舞台となっていることがあります。それは原作者の故郷がその土地である場合や、その地域の特性が物語上重要であるために設定されたというケースがあります。作品のファンは、そのシーンの元となった場所としての「聖地」を訪れることで、印象的なシーンを思い出し、物語の背景を肌で感じることができます。ここでは、熊本県の「聖地」について紹介します。
あっちゃん所長

この記事を書いた人

あっちゃん所長

長崎県在住のWEBライターです。読者の方に行きたいと思っていただけるような楽しい記事作成を目指してまいります。好きな旅行先は東京・沖縄・東北、そして地元の九州です。博物館・グルメ・温泉好きな活発なインドアです。

夏目友人帳(アニメ)

「夏目友人帳」は「LaLa」で2003年7月号から連載されているマンガです。その後、2008年から2017年まで6期にわたってアニメ版が放送されました。
「夏目友人帳」は、小さなころから妖怪の姿を見ることができた主人公夏目貴志と、彼の用心棒となった妖怪の「ニャンコ先生」を中心に、貴志の祖母レイコが残した「友人帳」をめぐって、人と妖怪、自然との関係を考えさせられる作品と仕上がっています。見る人を選ばない自然な作画、一人一人のキャラクターの持つ魅力、そしてほっこりとさせられるストーリーに、徐々に私たちは引き込まれていくのです。

「夏目友人帳」が人気な理由のひとつにニャンコ先生のキャラクターがあります。他にも私たちの今の生活とはかけ離れた場所での話で、ひょっとしたらノスタルジックな画の中に、私たちがなくした何かがあるのではないかということに気づかされてしまうところなのでしょうか。

作者のふるさと人吉に点在する聖地

原作者の緑川ゆき氏が熊本県人吉市の出身であるということもあり、この作品の舞台が人吉市であるということは明言されていないものの、実際の人吉の景色と酷似したシーンが登場することで、人吉市内にはさまざまな「聖地」となっているポイントがあります。
妖(あやかし)をモチーフにしているだけあって、そこで登場する風景はまさに田舎の風景であり、そのような存在を肯定するような風土や生活感がやはり漂っています。

聖地回りの拠点・JR人吉駅



人吉市の中心地として、度々作品に登場しています。

人吉駅には聖地巡礼マップもあり、最初に立ち寄ってぜひとも聖地を確認しておきたいところです。
肥薩線の主要駅で、西へ球磨川沿いに下れば八代、南へ向かえば鹿児島県吉松・隼人方面へつながっています。
山間部を線路は通っていくため、人吉駅以南はスイッチバック方式の駅が複数存在して、鉄道ファンにはたまらないエリアとなっています。「いさぶろう・しんぺい」「SL人吉号」などの魅力的なJR九州の列車も運行しています。

作品中ではおなじみの天狗橋



作品中よく出てくる天狗橋。名前がもう世界観そのものですよね。
場所は西人吉駅から歩いて15分程度なので、行くのに大変ですが、目指す価値はあります。

2期OPで登場した雨宮神社

次は2期のアニメのオープニングで登場した雨宮神社です。




この神社は長らく雨乞いの神事を行う際に使用されてきました。水は昔から重要なものだったのです。
また、この神社の鳥居から境内までの階段が112段あり、意外と体力が試されるところです。
さらに神殿奥にはトンネル状の場所があり、そこでは「三産(しゃんしゃん)くぐり」で有名です。



これによって「幸せを産む」「安らかに産む」「金を産む」の3つを産むパワースポットにもなっています。

この神社へ御朱印を持っていくと、ニャンコ先生からもらえますよ。

災害と聖地

そのようにファンからの思い入れの強い聖地なのですが、2020年の豪雨によって、被害を受けた聖地もあります。現在も修復中の場所もありますが、聖地巡礼を行う際は、確認をしてみてください。そして1日でも早い復興を願いたいものです。

あのオリンピック選手の故郷が…いだてん~東京オリムピック噺~(ドラマ)

毎年何かと話題になるNHKの大河ドラマは、どのような時代のどのような人物を描いていくのかが常に注目されます。2019年の大河ドラマは、スポーツに大きく貢献をした金栗四三と田畑政治の2人の物語となりました。これはちょうど翌年が東京オリンピックの年であるとされ(実際は開催が1年ずれてしまいましたが)、その関心も高い時期の放映だったのでした。脚本は宮藤官九郎さん。ただし、翌年のオリンピックに向けてという計算で、オリンピックという題材を選んだわけではないと彼は否定しています。
ただ、大河ドラマで近代を扱うのは珍しく、またやや複雑な構造の話となっていたため、高齢者よりはネットを良く活用する人々の層の視聴者が盛り上げる形となり、登場人物たちを知るきっかけとなった人は多いのではないでしょうか。

マラソンにかけた不屈のランナー

2019年のNHK大河ドラマ「いだてん」の前半は、日本で初めてオリンピックにマラソン選手として出場した経験を持つ、「日本マラソンの父」とも称される金栗四三が主役となっていました。
彼の出身地が熊本県玉名郡和水町(なごみまち)であることから、そこには彼にまつわるスポットがいくつかあります。

JR九州新幹線・新玉名駅前にある、金栗四三の銅像です。では…どうぞ~(すみません)



ちなみに彼の名前の読みは、資料によって、あるいは人によって異なるので、混乱する方もおられると思います。「かなくり」なのか「かなぐり」なのか、また、「しそう」なのか「しぞう」なのか。もうこの時点で4通りの読みが考えられるわけです。辻仁成が「ひとなり」なのか「じんせい」なのか迷うレベルですね(彼の場合は作家か歌手かで使い分けています)。さまざまな証明書などの記載や玉名市のサイトでは「かなくり しぞう」なのですが、公の組織では「かなくり しそう」で統一をしているようです。

彼は1911年、翌年に開催されるストックホルムオリンピックの予選会で世界記録を27分も縮める記録を出して、オリンピック選手に選ばれます。
彼に対する期待の大きさは言うまでもないでしょう。ことに当時は国を背負って競技するという重圧もものすごかったに違いありません。

結果、1912年のストックホルムオリンピックのマラソン競技では日射病にかかり、途中棄権という、一般的に見れば屈辱の結果となります。シベリア鉄道での20日間にわたる移動、食文化の違い、高緯度地方ゆえの睡眠コントロールの影響、宿泊所から競技場までの迎えの車がなく、走っていった影響、当日の異様な気温上昇(40℃)、そして日本の、スポーツに関する科学的な技術の立ち遅れなどが祟った影響でした。

その後、第1次世界大戦でオリンピックは開催されず、1920年にアントワープオリンピック、1924年にパリオリンピックがようやく開かれるのですが、ここでもそれぞれ16位、途中棄権と満足いく結果を残せませんでした。

けれども彼はくじけません。それらの経験により、日本のスポーツ界に必要なものを彼は学び、日本でその改善に奔走しました。1920年には東京箱根間往復大学駅伝競走を始めたり、競技で履く足袋を改良したり(オリンピックでも足袋を履いて話題となりました)したのです。
1921年から東京府女子師範学校に勤めてからは、女子の各競技大会を開催し、関東女子体育連盟の結成に尽力しました。
戦後はさらにさまざまな機関を立ち上げ、スポーツの振興で活躍をします。
彼は晩年を故郷である熊本県玉名で過ごし、1983年に92歳でその生涯を閉じるのです。

ちなみに、彼は1967年にストックホルムオリンピック開催55周年記念の式典に招待されます。そこで彼がその昔ゴールすることができなかったことを受け、オリンピック委員会は記念式典で、彼に競技場でゴールテープを切らせるという計らいを見せるのです。こうやって生まれた「記録」54年と8ヶ月6日5時間32分20秒3が、最も長いマラソン完走タイムということでギネスブックに載っています。

金栗四三の生家



四三が玉名中学校に入学するまでの14年間育った家です。四三の家は造り酒屋を営んでおり、築200年の家が、当時の雰囲気を伝えています。
家から彼が見ていたであろう田舎の原風景、彼が使っていた勉強部屋や裏にあるシナモンの木や井戸などが見どころです。


<スポット情報>
スポット名: 金栗四三の生家
住所:熊本県玉名郡和水町中林546番地
電話番号:0968-34-3047(和水町教育委員会社会教育課)
営業時間:(開館) 10:00~16:00
定休日: 火曜日
予算: (入場料)基本無料。一部に有料サービスあり
URL: http://www.kanakurishiso.jp/


彼の生家は山の中にあります。学校まで6kmの道のりを走って登下校していたくらいですからね。
車では九州自動車道南関ICか菊水ICで下ります。
ちなみに私が熊本県で一番好きな温泉「平山温泉」が近くにあります。

金栗四三の座右の銘と石碑



四三の生家のすぐ近くに、彼の座右の銘の「体力 気力 努力」が刻まれた石碑があります。
ここからも彼のひたむきさや向上心というのがうかがえますね。それに、それぞれの不本位なオリンピックの成績や、それによる心無い中傷に対しても腐れなかった芯の強さを感じます。

まとめ

熊本県ゆかりの聖地について、この記事では「夏目友人帳」と「いだてん」を紹介させていただきました。熊本県特有の大自然が大きくかかわっていました。他にもたくさんの作品もありますので、探してみてはいかがでしょうか?

おすすめ記事