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高知の魅力を深掘り!高知県の日本遺産・重要文化財オススメ7スポット

高知の魅力を深掘り!高知県の日本遺産・重要文化財オススメ7スポット

2023-09-06 運営事務局

高知県の歴史で有名といえば“坂本竜馬”“板垣退助”“ジョン万次郎”など、偉業を成し遂げた人の名前を思い浮かべる人が多いと思います。しかし、偉人以外にも高知県は国宝3件、重要文化財84件、特別天然記念物が国・県・市町村合わせて1865件と、大変貴重な物が今もなお現存されている建造物が多くあります。
その中にはパワースポット、SNS映えする場所も数多くあるのです。この記事では高知県に行ったら必ず訪れてほしい7つの日本遺産、重要文化財のスポットを厳選してご紹介します。
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豊楽寺薬師同堂(国宝)



こちらは日本三大薬師の一つで、1952年に国宝に認定された豊楽寺薬師堂です。
薬師堂内に安置している仏像の銘から1151年建設と考えられており、四国最古の建造物です。
また、薬師堂内陣には重要文化財である、“木造薬師如来坐像”“木造薬師如来及び両脇侍像・二天王立像”“木造阿弥陀如来坐像”が安置されています。
建物を遠くから見ると、深い苔の中に建つ重厚感ある佇まいとそれをまとう光に息をのむ美しさがあります。



豊楽寺薬師堂に辿り着く前の鳥居から見た景色もまた圧巻です。
木々に囲まれ空に吸い込まれるような階段からも、すでに何百年の歴史を重ねてきた姿が想像できます。
写真映えするのでまずは1枚撮ることをオススメします。

圧巻!800年以上の技と手法



国宝である薬師堂は、桁行、梁間が五間の単層入母屋造りです。
屋根は杮葺(こけらぶき)といって、1枚1枚が薄くて小さくした杉などの木を何層にも積み重ねて建築する手法を用いています。それにより反りが綺麗に曲線を描き美しく優雅な様をみることができます。
壁は板壁で、全面中央の三間は板唐戸の観音開きです。両脇の一間には連子窓といって、細長い木材を連続的に縦、横に連ねてはめ込んだ窓がついています。
豊楽寺薬師堂に着いたらぜひ、本堂に入ってください。空気がひんやりと冷たく、身が引き締まりつつも、何かに包まれているような感覚になります。
外から見ても、内から見ても何百年も前に建てられたとは思えないどっしりとした美しさと凛々しさが漂う国宝 豊楽寺薬師堂。ぜひ足を運んでみてください。

<施設情報>
施設名:豊楽寺薬師堂
住所:高知県長岡郡大豊町寺内314
電話番号:0887-73-0029
定休日:年中無休
入場料:外観見学 無料/内部拝観 ¥500(要予約)
URL:https://www.otoyo-kankou.com/spot/burakuji/

高知城(重要文化財)



高知城は1950年に重要文化財として指定されています。
関ケ原の戦の功績により、徳川家康から土佐一国を拝領した初代土佐藩主山内一豊とその妻千代が礎を築いた歴史ある城です。
1601年に新城の築城工事を始めて約10年の月日を経て完成した城であり、日本国内で江戸時代から天守が現存している12城の一つです。その中でも高知城は天守や追手門など15棟もの建造物が重要文化財に指定されています。

仕掛けがたくさん! 高知城のみどころ



高知城内には今も現存されているので大変珍しい仕掛けを見ることができます。
泥水が石垣に侵入して石垣が崩れるのを防ぐために、石垣から突起した排水させる仕組み“石樋(いしどい)”
天守の石垣を上ってきた敵を追い返えし、侵入を防ぐため設置された鉄剣“忍返し”
塀の内側から敵の動向を把握するための横長の隙間“物見窓”  など
高知県は雨が多い気候のため水対策や、防御に関する対策がしっかりとなされている点が大きな特徴です。



こちらが重要文化財の一つに指定されている高知城の表門“追手門”です。
大きい石で積まれた石垣の上に渡櫓(わたりやぐら)をのせた櫓門です。門の前は鉄砲や矢で敵を射るための狭間を設けた門と矢狭間塀で囲まれた形状になっており、3方向から攻撃できるようになっています。
またお城ファンが多く駆けつける理由として、追手門と天守を1枚の写真に納めることができます。これは全国の城の中でも大変珍しい城です。
その他多くの建造物が現代まで残っているので、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚になれるのも高知城の魅力です。



高知城内の杉ノ段には、山内一豊の妻・千代の銅像があります。
千代は夫を支えた「内助の功」で知られている人物です。その一説に、一豊が出会った名馬の話があります。その名馬は高額で買えなかったが、千代が嫁入りの持参金を一豊に差し出し購入することができました。後に名馬は、武家の行事で軍事パレードの一面もあった「馬揃え」で織田信長の目に留まり、この名馬がきっかけで一豊は出世していったといわれています。
いざというときに夫を支えた千代と名馬がきっかけとなって、高知城築城に至っているとされていることから、この銅像を見ることができます。高知城の建造物だけでなく、築城に至った経緯を知ることもまたお城を見る楽しみの一つとなるはずです。

<施設情報>
施設名:高知城
住所:高知県高知市丸ノ内1丁目2-1
電話番号:088-824-5701
営業時間:9:00~17:00(最終入館16:30まで)
定休日:12月26日~翌年1月1日
入場料:大人¥420 18歳未満無料
URL:https://kochipark.jp/kochijyo/

旧山内家下屋敷長屋(重要文化財)



こちらは1979年に国指定重要文化財建造物に指定された“旧山内家下屋敷長屋”です。
16代藩主 山内豊範により1864年に下屋敷として建てられた長屋であり、桁行十七間半、梁間二間半の二階建てです。下屋敷で警護に勤めた多数の足軽が宿泊するために建てられたとされ、下長屋建築でこのような規模は珍しく、全国的にみても重要であるとされています。



この場所は“1863年に西郷隆盛が島津藩 島津久光の使者として山内溶堂に会見し、そこで山内溶堂に上京して国事に奔走するよう献言したとされる場所”と記されています。
幕末にかけて大きなうねりがあった中、この地もその一つであったことを窺うことができる重要な場所。そのような場所が高知市内の中心部にあり、今なお現存されているのを見ると、独特な雰囲気を感じることができます。

下屋敷の面影を残す現在




現在はホテル「三翠園」の敷地内に旧山内家下屋敷長屋はあります。本格的な武家屋敷としてその姿を今に残し、幕末後期の藩士や庶民の生活を知ることができる用具なども展示されています。
無料で見学することもできるので、ぜひ足を運んでみてください。

<施設情報>
施設名:旧山内家下屋敷長屋
住所:高知県高知市鷹匠町1丁目3-35
電話番号:088-832-7277
営業時間:7:00~17:00
定休日:年中無休(※臨時休館することがあります)
入場料:無料
URL:https://www.city.kochi.kochi.jp/site/kanko/nagaya.html

土佐神社(重要文化財)



1570年に長曾我部元親によって再建され、本殿、幣殿及び拝殿(明治37年)、鼓楼(昭和9年)、楼門(昭和57年)がそれぞれ重要文化財に指定されています。
土佐神社は土佐の一ノ宮として古くから土佐の人々の心の拠りどころとされており、「しなね様」と地元の人から親しみを込めて呼ばれています。
頂くことができるご利益は開運招服・家内安全・病気平癒・農業繁栄・航海安全・交通安全と、数多くあります。地元の人から愛されているという納得の理由です。
またNHK大河ドラマ「龍馬伝」のロケ地でもあり、高知県を代表する有名な神社なので、観光客も多く訪れる場所です。



境内は約1万坪で、300メートル程の木々に囲まれた参道を歩くと大きな社が優雅に佇んでいます。
重要文化財である、拝殿、幣殿、御本殿が十字の形をつくる形状で、これを「入りとんぼ」と呼ばれています。この造りが見事なので、御社殿をどの角度から見ても雄大さに驚かされます。
木々に囲まれた境内をゆっくり散策すると、自分なりのパワースポットを見つけることもできます。ぜひ心をこめて時間をかけて参拝することをオススメします。

訪れる際はご朱印長も忘れずに



土佐神社ではもちろんご朱印を書いていただくこともできます。
ご朱印帳を持っているなら、旅の記念に書いてもらうのもよいでしょう。

<施設情報>
施設名:土佐神社
住所:高知県高知市一宮しなね2丁目16-1
電話番号:088-845-1096
定休日:年中無休
URL:http://www.tosajinja.i-tosa.com/

鳴無神社(重要文化財)

こちらは鎌倉時代に創建され、現在の社殿は1663年に再建された鳴無(おとなし)神社。1953年に国の重要文化財に指定されています。
参道が海から入るように造られており、海に向かって建設されている造りが大きな特徴です。(この写真を撮る際、後ろは海ということになります。)
そのことから「土佐の宮島」と呼ばれており、縁結びの神様としても知られているので、全国から多くの参拝者が訪れています。
先程紹介した“土佐神社”と御祭神が同じであることから、土佐神社と同じ8月25日には「志那弥祭」として船遊び神事を行っています。土佐神社と同じ日に訪ねることで、より深く鳴無神社を知ることができるでしょう。



こちらは先程の鳥居から後ろを見た写真です。
空の青と海の青が重なり合うところに奥行きのある参道を撮ることかできるので、天気が良ければ絶景を撮るにはオススメのアングルです。



昼間と同じくらいオススメの時間帯は明け方です。
青空とはまた違い、穏やかな海の向こうから朝日が昇るさまが幻想的に見ることができます。
縁結びのご利益があることから、この風景を想い人と重ね合わせて願う……なんて粋なことをするのも旅の醍醐味です。

<施設情報>
施設名:鳴無(おとなし)神社
住所:高知県須崎市浦ノ内東分3579
電話番号:090-2786-1221 宮司:森田
定休日:年中無休
URL:https://sta2020.com/susaki_info/tourism/757/

不破八幡宮(重要文化財)



不破八幡宮は、約520年前に一条教房公が応仁の乱を避け、荘園経営の為に中村に開府した際、幡多の総鎮守として且つ一条家守護神として京都に鎮座する石清水八幡宮を勧請し造営されたものです。
明治以前は正八幡宮、広幡八幡宮と称されていましたが、明治初年に“不破八幡宮”と改称しました。
四万十市にあり、周りは豊かな田園地帯の中にある不破八幡宮。
ここでは数多くの祭典も行われています。(上の写真は無病息災を願うカヤの輪「輪抜け様」が行われている様子)また仕事始め、結婚式、お宮参りなど地元に根付いた八幡宮です。

地域に根付いた重要文化財ここにあり



こちらが昭和38年に国の重要文化財に指定された不破八幡宮の本殿です。
この朱色に目を奪われますが、本殿の魅力は造りと彫刻です。
現在の本殿は1558年頃に再建されたものであり、室町時代の建築様式が色濃く漂っています。正面の柱が4本、柱間の間口が3間ある“三間社流造り”になっており、屋根は木の薄い板を幾重にも重ねて施工する“杮葺き”で作られています。
また細かい彫刻を実際近くで見ることができるので、時間をかけて作られた建造物が現代に残っている様は圧巻としかいえません。

<施設情報>
施設名:不破八幡宮
住所:高知県四万十市不破1374-1
電話番号:0880-35-2839
定休日:年中無休
URL:https://www.shimanto-kankou.com/kanko/history/fuba.html

中芸地域(日本遺産)



中芸地域は高知県安芸郡における地域名であり、安田町・田野町・奈半利町・北川村・馬路村がこの地域にあたります。
中芸地域一帯の里山の風景が現在日本遺産に認定されており、中芸地域を紡いできたいくつかの建造物は国指定の重要文化財に指定されています。
かつて中芸地域は林業で栄えていました。豊臣秀吉が洛陽東山佛光寺の大仏の建築に用いた魚梁瀬杉をはじめ、木材を産出し、川に流し海から全国へ送り出していました。
江戸時代に入ると自生するゆずに着目し、防腐や調味のために使う目的でゆずの栽培にも力を入れていました。
明治末期からは中芸一帯に魚梁瀬森林鉄道(通称「りんてつ」)が走るようになり、木材の搬出だけではなくトロッコが人の暮らしを繋いできたとされています。
そのような背景から現在は“りんてつとゆず”が有名な地域とされています。
中芸地域の里山の風景そのものに歴史的魅力があり、伝統を語るストーリーがあるため日本遺産に認定されたのです。

歴史が色濃く残る建造物の数々に出会える



こちらは“旧魚梁瀬森林鉄道施設 五味隧道(ごみずいどう)”です。国指定重要文化財に指定されており、明治44年の安田川線開通時に建造された馬路村の出入り口ともいえるトンネルです。苔で覆われた部分が歴史の深さを物語っています。
また上の写真で紹介している赤い橋も“小島橋”といい、こちらも重要文化財です。昭和7年に建造され、橋長は約143メートル。中芸地域の森林鉄道では最大規模です。遠くから見ても緑によく映えた堂々たる赤色の橋。どちらも見ごたえがあるので、ぜひ見てほしいオススメポイントです。

国内最大級の無筋コンクリート橋、ここにあり!

こちらの橋は昭和15年に建設され、国の重要文化財に指定されている“二股橋”です。
鉄筋が入っていないコンクリートづくりのことを無筋コンクリートづくりといい、この橋は国内最大級の無筋コンクリートで造られた橋です。
無筋コンクリートはひび割れが起きやすいのですが、こちらはそのままの状態を保ちながら存在しています。
高さもあり、今ではなかなか目にすることができないので必見です。

<施設情報>
施設名:中芸のゆずと森林鉄道日本遺産協議会
住所:高知県安芸郡安田町大字東島2017
電話番号:0887-30-1865
URL:http://yuzuroad.jp/nippon_annai.html

まとめ

偉人だけではない、高知県をさらに知ることができるオススメスポット7つをご紹介しました。どれも歴史深く、その一つひとつ目で見て写真におさめたくなるような場所ばかりです。高知に訪れた際は、ぜひ歴史の背景に触れながら高知にしかない日本遺産、重要文化財を巡ってみてください。

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