関東三大梅林の一つに数えられる越生梅林
南北朝時代から始められた梅の植栽
越生梅林(おごせばいりん)は、埼玉県のほぼ中央に位置する入間郡越生町に広がります。約2ヘクタールの敷地に梅が植栽され、茨城県の水戸偕楽園、静岡県の熱海梅園とともに関東三大梅林の一つに数えられているのです。例年2月中旬から3月中旬には紅白の梅の花で鮮やかに彩られ、「越生梅林 梅まつり」が開催されています。
越生での梅の栽培の歴史はとても古く、南北朝時代にまで遡るようです。1350年頃、福岡県の大宰府から天満宮を分祀して越生に梅園神社を造営することになりました。ご祭神として祀られる菅原道真は、こよなく梅を愛したと伝わっています。神社の西を流れる越辺川沿いには次々に梅が植えられ、広大な梅林が完成したのです。
約1000本の紅梅、白梅が育つ越生梅林
越生梅林には、「白加賀(しらかが)」、「越生野梅(おごせやばい)」などの梅が約1000本育てられています。紅白の梅の割合はおおよそ紅梅3割、白梅7割です。例年2月中旬に紅梅から開花が始まり、それに続いて白梅が花を開きます。3月中旬までの約1か月間、園内には梅の香りが漂います。
園内には遊歩道が整備され、延々と続く梅林の中をゆっくりと散策することができます。頭上は常に梅の花で覆われているので、梅のトンネルをさまよい歩いているように感じられます。
お気に入りの場所にレジャーシートを敷いて弁当箱を広げると、その味わいは倍増することでしょう。
また、エリアの南西部には見晴台が設置されています。
見晴台の眼下には360度のパノラマで梅林が広がるので、角度を変えて梅の花を眺めおろすことができます。見渡す限りに広がる梅の花に圧倒されることでしょう。
「梅まつり」期間に園内で運行されるミニSL
梅の開花にあわせて例年、「越生梅林 梅まつり」が開催されています。2022年は2月11日~3月21日に行われました。期間中の土日祝日の10:00~15:00には、園内をミニSLが運行します。梅の木々の間を縫う全長約250メートルのレールの上を、蒸気をあげながら走り抜けるのです。サイズは子ども用のミニであっても、大人も一緒に乗りたくなりそうです。親子ばかりでなく孫子連れでも、きっと楽しいひと時を過ごすことができることでしょう。
「梅まつり」の開催期間中には、梅林の北西部の広場は屋台村となります。軽食やスナック、スイーツなど様々な種類のグルメの露店が、休憩用のベンチをぐるりと取り囲みます。
<施設情報>
施設名 越生梅林(おごせばいりん)
住所 埼玉県入間郡越生町堂山113
電話番号 049-292-1451(越生町観光協会)
アクセス JR八高線・東武越生線「越生駅」より川越観光バス「黒山行き」に乗車し「梅林入口」停で下車徒歩約1分