尾去沢鉱山
まずご紹介するインスタ映えスポットは、閉山した銅山をテーマパークとして整備し公開している尾去沢(おさりざわ)鉱山です。1300年もの長い歴史をもつと言われている同鉱山は、日本の産業を陰で支えてきた銅や金の採掘作業の実態を現代へ伝える貴重な資料です。普段は滅多に味わえない非日常の空間へ足を踏み入れてみましょう。
北鹿(ほくろく)地域と呼ばれる秋田県北東部は日本最大の鉱山地帯として知られています。数十にも及ぶ有名な鉱山が点在しているのですが、その1つが尾去沢鉱山です。尾去沢鉱山の歴史は、なんと奈良時代にまでさかのぼるとされています。ある記述によれば、この鉱山で生産された金は有名な奈良東大寺の大仏にも使用されたのだとか。交通手段の限られていた時代に遥か遠くまで運ばれていったと想像すると、なんとなくロマンを感じるのではないでしょうか。
公開されている観光坑道では、江戸時代から閉山される時まで実際に使用された採掘現場を目の当たりにすることができます。総延長は1.7キロで所要時間は約45分です。分岐点で短縮して所要時間約30分、1.1キロの標準コースを選択することもできます。坑道内は年間を通して気温が13度程度に保たれているため、真夏などには涼しい観光地として良い選択肢となるでしょう。体を冷やしすぎてしまわないよう、軽く羽織れる上着やバスタオルなどを用意することがすすめられています。
体験メニューも用意されているので、家族で訪れた際にはみんなで楽しんでみると素晴らしい思い出作りができるに違いありません。鉱山らしい「純金砂金採り」「天然石掘り」を体験することができます。現在は営業停止されていますが、以前は「万華鏡作り」「パワーストーンのアクセサリー作り」「金箔作り」さらには秋田の郷土料理「きりたんぽ作り」という選択肢もありました。そのうち復活するのを待ちたいところです。
<施設情報>
施設名: 尾去沢鉱山
住所:秋田県鹿角市尾去沢字獅子沢13-5
電話番号:0186-22-0123
公式サイト:
http://www.osarizawa.jp/
小安峡
大地のエネルギーと自然が長い時間をかけ作り上げてきたアートを直接肌で感じ取ることのできる、人気の観光スポット・小安峡(おやすきょう)。湯沢市に位置する皆瀬川の急な流れが両岸を深く侵食することで形成されたこの渓谷は、春夏秋冬いつ訪れても鮮烈で美しい光景をもって魅了してくれます。
小安峡最大の見どころは、大噴湯(だいふんとう)。60メートルもの高低差ある渓谷の下まで階段を使って降りていくと、「シューッ、シューッ」という激しい音が耳に届きます。この場所は世界的にも珍しい、地熱貯留層の亀裂が露出している地形であるとのこと。そのおかげで、地中にたまっている熱水が98度もの高温の蒸気となって勢いよく噴き出すのです。まるで地球が大きく息を吐いているかのよう。所要時間はおよそ30分から40分とされています。
おすすめの季節は紅葉の秋。渓谷の両岸を埋め尽くさんばかりの色づいた美しい木々の葉は、日本人の心を癒します。冬も大変魅力的です。雪をしっかりとまとった両岸の岩は、噴き出す白い蒸気と相まって銀世界を作り出します。春は新緑の季節。天気が良ければ鮮烈な青空と若々しい緑が素晴らしいコントラストを織りなします。
日常離れした偉大な光景ですが、アクセス性が悪くないのが嬉しいところ。国道398号の道中に位置しており、観光物産館及びあぐり館には大きな駐車場が用意されています。さらには足湯も設置されていたり近くには小安峡温泉もあったりと、お湯の恩恵を楽しむことができます。
角館武家屋敷通り
日本の歴史を感じさせる街並みは、日本人のみならず多くの外国人観光客をも惹きつけてやまない人気観光スポット及びインスタ映えスポットです。角館(かくのだて)武家屋敷通りは、秋田県エリアで代表的な歴史的建造物が集まる場所の1つ。国の重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けるエリアも含まれており、まるでタイムスリップしたかのような気分を味わえることでしょう。
角館は約400年の歴史をもつ城下町で、芦名義勝によって造られた区画の一部が現在に至るまで保存されています。現在残っている武家屋敷は10軒ほど。有数の「小京都」の1つに数えられるだけあり、本格的な江戸時代の街並みは当時の人々の暮らしを目の前に再現してくれます。
青柳家や石黒家をはじめ、各武家屋敷内には代々伝わる武器や衣装のほか重要な資料、生活用品などさまざまなものが展示されています。歴史に興味のある人もない人も、当時の文化に触れることができる貴重な場です。もちろん建物の外観を眺めたり内装を見て回ったりするだけでも、当時のクールな建築様式を目の当たりにすることができます。
桜の名所でもある角館武家屋敷通りは、四季を通して表情を変えるのも見どころです。桜が満開になる春はもちろん、新緑の初夏に紅葉の秋、木々に雪を頂く冬と、いつ訪れても異なった風情を満喫することができます。夜にはイルミネーションによるライトアップもされており、暗闇の中で映し出される幻想的な風景を楽しむのも魅力的です。
抱返り渓谷
自然豊かな秋田県では、県東部の田沢湖エリアの有名な絶景スポット「抱返り(だきがえり)渓谷」も見逃せません。約1.5キロ、所要時間片道およそ30分の遊歩道は、アップダウンも少なく気軽に雄大な自然を満喫するのにぴったりです。
「抱返り」という変わった名前が付けられている同渓谷。あまりの地形の険しさから、人がすれ違う際にはお互いを抱きかかえるようにする必要があったという由来でこのように呼ばれているとのことです。手つかずの豊かな森林が残っているのも納得です。
名前が示す通りの険しい場所も、現在はよく整備された遊歩道のおかげで、安全に散策を楽しむことができます。まさにインスタ映え間違いなしの写真撮影にぴったりです。特に「神の岩橋」はこの渓谷を代表する景勝地の1つです。特徴的な赤色をまとった全長80メートルの吊り橋と、その下を流れるエメラルドグリーンの水面が印象的。さらには美しさゆえに何度も振り返って見たくなる「回顧の滝」など見どころがいっぱいです。
抱返り渓谷を訪れるもっともおすすめの季節は、やはり何といっても紅葉の秋です。写真でも十分伝わってくるほどの赤く染まった木々の美しさは、実際に訪れて目の当たりにすることで何倍も鮮烈に目に焼き付くことでしょう。季節に合わせて各種イベントも催されるので、ぜひカレンダーを見ながら旅の計画を立ててみてはいかがでしょうか。もちろん新緑の季節も絶景です。
払田柵跡
日本の歴史に触れられる数あるスポットの中でも、平安時代から残るもので尚且つ異彩を放っているスポットが最後にご紹介する「払田柵跡(ほったのさくあと)」です。秋田城跡などに匹敵するほどの規模を誇る遺跡で、迫力とミステリアスな雰囲気がとても特徴的な場所となっています。
払田柵跡は秋田県内で初めて国史跡に指定されたスポット。であるにもかかわらず、歴史書や古文書などでは何も言及されていないことで知られています。歴史上どのような名称で呼ばれていたのかさえ判明しておらず、未だに多くの謎が残っている状況です。現代社会において多くのことが調査・分析されてきた中でも分からないことがあるというのは、まさに人々の好奇心を刺激してくれる面白い存在です。
謎多き詳細とは裏腹に、遺跡のスケールはとても堂々と立派なものです。名称の通り角材を並べた外柵と呼ばれる部分が主な構造物ですが、その総延長は約3.6キロにも及びます。そして印象的な外柵南門の高さは9.7メートルととても迫力あるサイズ。復元されたものながら、平安時代当時の風景の一部を垣間見させてくれます。
総合案内所ではこの遺跡についての理解を深めることができるので、学びの場としても好奇心を刺激し満たしてくれることでしょう。アニメを交えた映像やガイド付きの歴史散策など、家族で訪れるとより一層楽しめそうな施設が充実しています。
<施設情報>
施設名:払田柵跡
住所:秋田県大仙市払田字仲谷地95
定休日:月曜
電話番号:0187-69-2397
まとめ
以上、秋田県でぜひ訪れてみたいインスタ映えスポット5選でした。秋田というだけあって、今回取り上げた各スポットの中では紅葉の秋に特に魅力的な場所が目立ちました。特に田沢湖エリアは秋田新幹線でダイレクトに訪れることもできる利便性の高さがポイント。ぜひ、次のお出かけ先には秋田県のインスタ映えスポットを候補に入れてみてはいかがでしょうか。