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【群馬県】世界遺産・富岡製糸場の見どころを解説!お土産情報も

【群馬県】世界遺産・富岡製糸場の見どころを解説!お土産情報も

2024-11-29 あおい

おおよそ140年前の姿をほぼそのままに保っている『富岡製糸場』。
2014年6月には”世界遺産”として登録されたのも、記憶に新しいところです。
本記事では、富岡製糸場とはなにか・どのような施設だったのかをはじめ、見どころをご紹介。
お土産情報も合わせてまとめますので、ぜひご覧ください。
あおい

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あおい

温泉とおいしいものが大好きです。
観光スポットに近い場所に住んでいるので、地元を歩いてまわるのも好き。
旅先で見つけたグルメやお土産情報、楽しい場所を共有できるような記事をご提供します。

世界遺産『富岡製糸場』とは

1872年(明治5年)、国内の近代化が急速に進む時代に富岡製糸場は建てられました。
群馬県はかねてより養蚕業が普及した土地柄でもあったということから、政府主導ではじまった事業であったといいます。
富岡周辺ではとりわけ養蚕業が多く営まれていたということもあり、絹の原料となるまゆを調達しやすい環境が選ばれました。
この群馬県産のまゆと、操糸機(そうしき)とよばれる機械を利用して、富岡製糸場では絹をつむぐ事業を開始したのです。
機械を使った大規模な製糸工場は”日本初”。
当時としてはとても革新的なものであり、規模も非常に大きく、世界でも類を見ないほどでした。




システマチックに速く・美しい糸を仕上げられるという富岡製糸場の技術とその環境は、日本のさらなる近代化の一端を担っていきます。
富岡製糸場で働いた経験のある工女さんたちは、退職後も日本の様々な地でその技術を伝道したそうです。

こうして富岡製糸場とその関連事業により、群馬県内には絹産業が定着。
現在でも、シルクは群馬名産のひとつです。
ちなみにですが、富岡製糸場の土地は江戸時代のお代官様のものだったそう。
元々は代官屋敷を建築する予定だったといいます。
このような裏情報も知ると、ますます富岡製糸場の歴史が面白いものに感じられますね。

和と洋が織りなす建物の美しさ

富岡製糸場のなかでもっとも目立つのは、やはり赤レンガの建物ではないでしょうか。
実はこの建物、当時の日本としては珍しい技術が使われています。
基礎となる枠組みは木で組み上げ、あとから壁の部分にレンガを積んでつくられているのです。




レンガの長い部分と短い部分を交互に積み上げていく『フランス積み』とよばれる工法でつくられた壁は、デザイン的でとても美しく一見の価値あり。
レンガとレンガの間は、当時日本で多く使われていた漆喰(しっくい)で固定。
屋根は日本伝来のカワラぶきです。




この和洋折衷の工法は『木骨レンガ造』と呼ばれるもの。
富岡製糸場創設時に招かれたフランス人有識者、ポール・ブリュナ氏の依頼により神奈川県横須賀市から伝わったといいます。
富岡製糸場建築時に使われたレンガは、群馬県内で用意されました。
当時の日本ではレンガ自体がまだとても珍しく、地元の職人たちが試行錯誤しながらつくり上げたというのだからおどろきです。
赤レンガの建物は、実際に糸をつくっていた『操糸場』と2棟の『まゆ倉庫』から成っています。
日本と西洋の知識が見事に融合した建築美を満喫しましょう。

操糸場内部で見る時代の”最先端”




糸づくりの中心である操糸場内部にも、”日本の最先端”が見られます。
例えばその構造。
操糸場は、細く長い建材を三角形になるように組み合わせる『トラス構造』を採用しています。
室内に柱を設けない仕様であるため、広々と空間をつかうことが可能になりました。
上部には採光のための窓が壁に沿って横一列に設えられ、明るく開放感のある印象です。
機能的に優秀であることはもちろん、見た目の美しさにも気を配ってつくられたのでしょう。

さらに、室内にズラリと並んだ機械群も大注目ポイント。
これは富岡製糸場が稼働を止めた1984年(昭和59年)まで実際に使われていた操糸機であり、車で有名な日産製のものです。
国内製糸事業の最盛期に効率を向上させた、生産の支柱的な存在。
後継機が販売されなかったという事情から、現在でも使用する工場があります。
時代の最前線を駆けた品が、おおよそ300台も並ぶ光景は圧巻です。
なお、操糸場内では、工場創業時に使用されていた機械も展示されています。
こちらはポール・ブリュナ氏がフランスから直接輸入したもの。
湿度が高い日本の気候や、実際に糸づくりに従事する日本人女性の背丈に合わせてカスタマイズしてあります。
こうした工夫の数々で生糸の大量生産が実現することになり、絹産業を活性化させたのです。

当時の先進的な工場設備




富岡製糸場内では『鉄水溜(てっすいりゅう)』という設備を見ることができます。
これは、巨大な水タンクです。
製糸の過程では水が大量に必要になる工程があるため、あらかじめ水をため置いて水質を管理しました。
建造は1875年(明治8年)。
日本に現存する鉄製構造物のなかではこの鉄水溜がもっとも古く、2006年には”重要文化財”として指定されています。




蒸気機関ブリュナエンジンは、毎週土曜・日曜と祝日にレプリカの動態展示が行われます。
実際に蒸気を利用しての運転なので、とても見ごたえがありオススメです。

ほかに、フランス人女性たちが日本の工女さんたちに技術を伝えた『女工館』、ポール・ブリュナ氏の日本での住まいであった『ブリュナ館』なども通常外観のみ見学可能。
”コロニアル様式”という海外特有であった建築様式が見られるなど、かつての先進的な設備を間近に感じることができます。

ガイドツアーや音声ガイドでもっとくわしく!




富岡製糸場では、入場料にプラス\200(中学生以下\100・2023年5月現在)でガイドツアーをつけることができます。
おおよそ40分ほどの所要時間で、解説員さんの話を聞きながら場内をまわることができます。
「富岡製糸場のことを短時間で効率よく知りたい!」という人には特にオススメです。
開始時間などは、公式HPでご確認ください

また、スマホにアプリをインストールすると、富岡製糸場の無料ガイドを楽しめます。
こちらは無料なので、より気軽に利用できそう。
ほかに見学のポイントが書かれたパンフレットなども用意されていますので、お好みやシーンに合わせて選びましょう。

操糸機の実演やカイコの生態展示を見よう





<施設情報>
施設名:世界遺産富岡製糸場
住所:〒370-2316 群馬県富岡市富岡1-1
アクセス方法:富岡ICより車で約5~6分
電話番号:0274-64-0005
営業時間:9:00~17:00
所要時間:1時間30分
予算:大人 ¥1,000
高校生・大学生 ¥250
小・中学生 ¥150
ガイドツアー¥200 中学生以下 ¥100
いずれも2023年5月現在の料金
URL:https://www.tomioka-silk.jp/tomioka-silk-mill/

富岡製糸場土産のオススメ3点

富岡製糸場を見学したあとは、やはりお土産選びですね。
今回は、数多いアイテムのなかからとりわけオススメしたいものを3点まとめました。




<店舗情報>
店名:まゆ菓優 田島屋
住所:〒370-2331 群馬県富岡市内匠243-1
アクセス方法:富岡IC至近
電話番号:0274-62-1134
営業時間:9:30~19:00
定休日:水曜
予算:まゆこもり10個 ¥648(税込)
富岡産シルク入り10個 ¥820(税込)
URL:https://www.mayu-tajimaya.com/index.html

丸エイ食品の『お蚕様チョコレート』・『かいこの一生』




かなり攻めた印象のチョコレート。
語彙力を無視して申し上げるなら、「見た目がヤバイ(味はウマイ)」。
見れば見るほどリアルなカイコなので、お土産にすれば話題になること請け合いです。




特にオススメしたいのは、幼虫・まゆ・成虫(カイコガ)と、その一生を表現した『かいこの一生』。
チョコに練り込まれた群馬県産桑の葉パウダーのかすかな渋さ、サクサクのパフ、クランベリーの甘酸っぱさにホワイトチョコのミルキーな風味……。
と、味は本当においしいので、虫が苦手でない人へのお土産にぜひ。
販売場所は、富岡製糸場ほど近くの『かいこの王国 富岡城町店』など。
公式HPにオンラインショップもあるので、チェックしてみてください。


<店舗情報>
店名:かいこの王国 富岡城町店
住所:〒370-2316 群馬県富岡市富岡44-2
アクセス方法:上州富岡駅至近
電話番号:080-8863-3337
営業時間:9:00~17:00
定休日:水曜
予算:¥1,000
URL:https://yurugido.com/

和菓子処 はら田の『まゆひめ』

こちらで購入できるのは、まゆの形をしたマシュマロです。
口に入れるとまず感じるのはそのフワフワとしたやわらかさ。
続いて、なめらかでとろけるような口どけと、パイナップル果肉入りクリームのゆたかな香り。
マシュマロにパイナップルクリームとは意外な気がしますが、これがフワフワのマシュマロと最高のコンビネーション。
そのままではもちろん、紅茶に入れてもバツグンです。
和菓子処 はら田は、富岡製糸場のすぐ裏手にあります。
ぜひ、立ち寄ってみてください。


<店舗情報>
店名:和菓子処 はら田
住所:〒370-2343 群馬県富岡市七日市1163
アクセス方法:富岡製糸場すぐ裏手
電話番号:0274-63-2390
営業時間:9:00~18:00
定休日:不定休
予算:まゆひめ1個¥110(税込)

高田食堂(たかたしょくどう)の『工女さんも愛したカレー』

富岡の食文化を語る上で、こちらは外せません。
昭和20年代に開業し、2023年5月現在は3代目がその味を受け継いでいるそう。
このお店には、かつて工女さんたちがカレーを食べに足しげく通ったという逸話があります。
特有のドロッとしたルウは、小麦粉から手づくりでとてもスパイシー。
誕生当時から変わらない味わいをレトルトで販売しているので、ぜひお土産にしてみてはいかがでしょう。


<店舗情報>
店名:高田食堂
住所:〒370-2316 群馬県富岡市富岡22
アクセス方法:上州富岡駅至近
電話番号:0274-62-0469
営業時間:11:30~14:30
17:00~19:00(出前のみ対応)
定休日:水曜、第3木曜
予算:¥1,000

まとめ

今回は、富岡製糸場の見どころとお土産のオススメについてまとめました。
群馬県内にはほかにも「絹産業遺産群」があり、こちらも世界遺産の関連スポットです。
富岡製糸場の見学で興味がわいたら、ぜひお出かけください。
歴史的価値のあるスポットの数々を、旅しましょう。

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