例年200万人を超える参拝者が訪れる武蔵一宮氷川神社
2000年を超える歴史を育む神社
さいたま市大宮区に社殿を構える武蔵一宮氷川神社は、新年には例年200万人を超える参拝者が訪れる埼玉県でも最も人気のある初詣スポットです。
神社は社記によれば、今から2000年あまり前の第5代孝昭天皇の時代にさかのぼります。紀元前473年頃に、出雲大社から勧請され創立されたと伝わる埼玉県内でも屈指の古社です。第12代景行天皇の時代には、日本武尊が訪れ東夷鎮定を祈ったという伝説も語り継がれています。参拝者が手を合わせる拝殿は、切妻屋根が前に曲線を描きながら長く延びています。「流造」と呼ばれる典型的な神社の建築様式で、奈良時代末期から全国各地の神社の建築に採用されました。
拝殿の奥の本殿では御祭神として、須佐之男命(すさのおのみこと)、稲田姫命(いなだひめのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと) の三柱を祀っています。氷川神社という社号の神社は、首都圏を中心に約280社造営されていますが、武蔵一宮氷川神社はその総本社です。正月三が日には連日、厳かな祭典が行われます。1日には「歳旦祭」が行われ、一年の国家安泰、五穀豊穣、氏子崇敬者の繁栄が祈願されます。2日の「日供始祭」では、境内に造営されている13社の御扉を開き神饌のおそなえを行い、3日の「元始祭」では、皇統の安寧と皇室の弥栄が祈られます。拝殿前での参拝の作法は、「二礼二拍手一礼」で、家内安全、商売繁昌、交通安全、安産、災難除、心願成就などのご利益が期待されています。
日本の伝統文化を伝える舞殿や神楽殿
拝殿の南には、バランス感覚あふれる大社造りで建立された舞殿が設けられています。神社で一年を通して斎行される祭典の際には、薪能、雅楽、神楽などの奉納が行われ、日本の伝統文化を今に伝えています。
厳かな雰囲気が漂う拝殿、舞殿のエリアの玄関の役割を担っているのが桜門です。鮮やかな朱色に彩られた門が、堂々とした姿で参拝者を出迎えてくれます。
桜門の南の神池に架かる橋も朱色で塗られています。神池橋を渡れば、穢れが清められると信じられているようです。
神池橋と三の鳥居の間には、額殿や神楽殿が設けられています。普段は落ち着いた雰囲気が漂い歴史が感じられるエリアなのですが、初詣時期には様子ががらりと変わります。
三の鳥居と二の鳥居を結ぶ参道にひしめき合う露店
三の鳥居の北側の境内には、おみくじや正月の縁起物を販売する露店がぎっしりと並びます。
三の鳥居から南には参道が設けられ、二の鳥居に繋がります。初詣の時期には参道の左右には隙間なく露店がひしめき合い、あらゆる種類のグルメが揃います。約500メートルの参道には威勢のよい掛け声がこだまし、正月気分満点です。まるでラッシュアワーの電車内のような混みあい方となります、珍しい食べ物や飲み物も数多く見かけられるので飽きることはありません。
二の鳥居が建立されているのは県道2号沿いです。明治神宮から寄贈移築された高さ約13メートルの鳥居は、現存する木造の鳥居の中では関東で一番と言われています
初詣に出かけたならば、新年の運勢を占ったり、お守りやお札などの授与品を頂いたり、破魔矢や福熊手などの縁起物を手に入れたいものです。神社では拝殿の東側に授与所が設けられています。ただ初詣の時期には、どこの窓口にも長い行列ができます。行列の先がどの窓口に繋がっているかを間違えずに見極め、列の進行に従わざるをえないようです。
<施設情報>
施設名:武蔵一宮氷川神社
住所:埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-407
電話番号:048-641-0137
アクセス:JR大宮駅東口より徒歩約15分
桜門開閉時間:春秋(3・4・9・10月)= 5:30から17:30/夏(5から8月)= 5:00から18:00/冬(11から2月)= 6:00から17:00
初詣行事:歳旦祭(さいたんさい)=1月1日/日供始祭(にっくはじめさい)=1月2日/ 元始祭(げんしさい)=1月3日
公式ホームページ:https://musashiichinomiya-hikawa.or.jp/