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【埼玉】桃の節句にひな祭り気分が味わえるイベント2選

【埼玉】桃の節句にひな祭り気分が味わえるイベント2選

2023-02-20 Obaq

例年3月3日の「桃の節句」に、女の子が健やかに成長することを願って、自宅にひな人形を飾る家庭も多いことでしょう。街角にも数多くのひな人形が姿を現し、イベントが企画されています。埼玉県では人形の町として知られる2つの地域で例年、「岩槻流しびな」、「鴻巣びっくりひな祭り」が行われています。
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国内では47都道府県、海外では67ケ国を巡っております。この経験をいかし、
幅広い視野で観光スポットの魅力や特徴をお伝えして参ります。

「岩槻流しびな」(さいたま市)

「岩槻流しびな」は、さいたま市岩槻区の岩槻城址公園で行われます。開催日時は、例年3月3日直前の日曜日の10:00から14:00です。

さいたま市の岩槻区は、人形の町として広く知られています。岩槻で人形作りが始まったのは江戸時代からと伝わっています。江戸幕府第3代将軍の徳川家光が、日光東照宮の造営を行ったときに、日光御成街道に沿って全国から工匠が集まったのです。江戸からは最初の宿場町であった岩槻の周辺は、桐の栽培に適していたため人形作りが盛んに行われるようになりました。東武アーバンパークラインの岩槻駅東口の商店街には数多くの人形店が軒を連ねています。岩槻城址公園には、人形塚が設置されています。

岩槻城址公園は、岩槻駅から東に約1.5キロのところに位置します。室町時代の末期、戦国時代の初頭に築城されたと伝わる岩槻城の跡地が整備されました。かつての城の土塁に囲まれる公園の中央には菖蒲池がおだやかな水面をたたえ、鮮やかな朱塗りの八ツ橋が架けられています。

菖蒲池に浮かべる「さん俵」

「岩槻流しびな」の開催日には、菖蒲池沿いに特設のテントが設置されます。池に浮かべる「さん俵(さんだわら)」を販売しているのです。「さん俵」は、わらで編んだ直径12センチ前後の丸い台盤の上に、和紙を使って作られたひな人形が乗せられています。これを水に流して、子どもの無病息災を祈るのです。

当日は10:00に菖蒲池に張り出すように設置されたステージに、久伊豆神社から宮司が現れ、祝詞(のりと)の奏上(奏上)と、榊(さかき)を振ってお祓いが行われます。続いて開会が宣言されると、「岩槻流しびな」が始まるのです。

流しびなが始まると、「さん俵」を手にした人々がステージに向かって行列をつくります。
そして、赤い絨毯の上から池に向かって手を差し出し、「さん俵」を静かに水面に浮かべていくのです。

水に浮かんだた「さん俵」は列を作り、ゆっくりと池の中央に運ばれていきます。流しびなは、ひな祭りのルーツとなったと言われています。ひな人形を水に流すことによって、自らの身を清めます。絶え間なく流れる川には、昔から浄化や供養の力があると信じられていたのです。

「岩槻流しびな」の開催日には、公園内では琴の演奏、鼓笛隊の演奏、十二単衣着付けの実演などの和の情緒が感じられるイベントが行われます。甘酒の無料配布、各種の模擬店、岩槻の特産品の販売コーナーも設置され、大勢の人々で賑わいます。

<施設情報>
施設名 岩槻城址公園(いわつきじょうしこうえん)
住所 埼玉県さいたま市岩槻区太田3-4
電話番号 048-757-9122(岩槻城址公園管理事務所)
アクセス 東武アーバンパークライン「岩槻駅」東口より徒歩約23分

岩槻区内で開催される「まちかど雛めぐり」

「岩槻流しびな」の開催日を含み「桃の節句」の前後の約2週間、岩槻区では「まちかど雛めぐり」も同時開催されます。岩槻駅周辺の商店街ばかりでなく市内には人形店が点在しており、各店舗では趣向を凝らした展示を行っています。

伝統工芸品を通して日本の文化に触れる岩槻人形博物館

桃の節句の前後には岩槻のまちかどに、ひな祭りのムードで包まれますが、一年を通して人形の姿を見ることができるのが岩槻人形博物館です。岩槻駅と岩槻城址公園のほぼ中間点に2020年2月にオープンしました。
岩槻人形博物館に入ると、岩槻をはじめとする埼玉県が日本最大の人形の生産地であることに気づかされます。1階の展示室では、人形の伝統的な製法を中心として、製作道具や材料、近隣で作られた人形や文献などの資料が展示されています。現代の職人の人形作りの様子を映像で見ることもできます。伝統工芸品を通して日本の文化に触れる、またとない機会となることでしょう。

<施設情報>
施設名 岩槻人形博物館(いわつきにんぎょうはくぶつかん)
住所 埼玉県さいたま市岩槻区本町6-1-1
電話番号 048-749-0222
開館時間 9:00から17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(休日の場合は開館)/年末年始(12月28日から1月4日まで)
観覧料 一般=300円/高校生・大学生・65歳以上=150円/小中学生=100円(
アクセス 東武アーバンパークライン「岩槻駅」東口より徒歩約10分
公式ホームページ https://ningyo-muse.jp/

約380年の人形作りの伝統を刻む「鴻巣びっくりひな祭り」(鴻巣市)

埼玉県北部で古くから人形作りが盛んに行われている鴻巣市では、例年2月中旬から3月中旬にかけて、「鴻巣びっくりひな祭り」が開催されています。

鴻巣市で人形作りが行われるようになったのは、江戸時代の中頃のことと伝わっています。旧中山道沿いで数多くの職人が腕を振るいました。今でも市の南東部の人形町には、数え切れないほどの人形店が軒を連ねています。約380年の伝統を刻む人形は、「鴻巣びな」として全国に知られるようになり、「関東三大雛市」の一つに数えられるようになったのです。

メイン会場に登場する「ひな人形で飾る日本一高いピラミッドひな壇」

「鴻巣びっくりひな祭り」のメイン会場は、JR高崎線の鴻巣駅の東口に直結するエルミこうのすショッピングモールです。1階中央のセントラルコートに、巨大なピラミッドのようなひな壇が出現します。約7メートルの四角錐のピラミッドに、31段のひな壇が設置されます。2012年には「日本一ネット」で、「ひな人形で飾る日本一高いピラミッドひな壇」という認定を受けました。階段状に整列するひな人形は、1500体前後に及びます。各々の人形に同じものは見当たらず、顔立ち、表情、姿勢、衣装に個性を発揮しています。ひな壇を囲むように記念撮影用のパネルや、地元の特産物を販売する売店が設けられます。

ひな壇正面の張り出し部では、ひな人形がまるで満員電車に乗っているかのようです。

ひな壇が設置されるセントラルコートは吹き抜けの構造になっているので、2階や3階から角度を変えてひな人形を眺め下すと印象も大きく変わることでしょう。

<施設情報>
施設名 エルミこうのすショッピングモール
住所 埼玉県鴻巣市本町1-1-2
電話番号 048-540-7101
営業時間 10:00から21:00
アクセス JR高崎線「鴻巣駅」東口に直結
公式ホームページ https://www.elumikonosu.com/

日本の伝統工芸に関する知識を深めることができる鴻巣市産業観光館「ひなの里」

「鴻巣びっくりひな祭り」では、エルミこうのすショッピングモールの他にも、市内各所のサテライト会場でひな人形の展示が行われます。人形町の一画に建つ鴻巣市産業観光館「ひなの里」も会場となります。館内では「芥子雛(けしびな)」、「享保雛(きょうほびな)」、「古今雛(こきんびな)」、「御所人形(ごしょにんぎょう)」などが展示されています。人形作りの工程の紹介もあるので、日本の伝統工芸に関する知識を深めることができます。

中庭に明治時代に築造された蔵の中は、隙間なく人形で埋め尽くされます。蔵の前には特設のステージが設置され、尺八や三味線の演奏などのイベントも行われます。

<施設情報>
施設名 鴻巣市産業観光館「ひなの里」(こうのすしさんぎょうかいかん)
住所 埼玉県鴻巣市人形1-4-20
電話番号 048-540-3333
アクセス JR高崎線「鴻巣駅」東口より徒歩約15分
開館時間 9:00から17:00
休館日 水曜日(国民の祝日にあたる場合は翌日)/年末年始
公式ホームページ https://www.konosu-kanko.jp/hinanosato/

花と音楽の館かわさと「花久の里」の母屋に登場する六角錐のひな壇

花と音楽の館かわさと「花久の里」も、「鴻巣びっくりひな祭り」のサテライト会場となります。「花久の里」は、江戸時代末期の1851年に建築された母屋を中心として、2002年にオープンしました。一尺を超える大黒柱と四段組の梁で箱棟瓦葺き(はこむねかわらぶき)の屋根を支える建物は、関東地方の民家作りの完成形と言われています。

「鴻巣びっくりひな祭り」の期間中には母屋のサロンには、花と人形で飾られた六角錐のひな壇が登場します。天井からはつるし雛が吊るされています。窓際にもひな人形が整列します。製作年代ごとに並ぶひな人形を注意深く観察すると、歴史を感じとることができることでしょう。他にも長屋門のホールでは、てまりの展示会も行われます。

<施設情報>
施設名 花と音楽の館かわさと「花久の里(かきゅうのさと)」
住所 埼玉県鴻巣市関新田343
電話番号 048-569-3811
開館時間 9:00から17:00
休館日 火曜日(祝日の場合は翌日)/年末年始
アクセス JR高崎線「鴻巣駅」東口よりバスで約25分
公式ホームページ https://www.kakyunosato.or.jp/

農産物直売所「パンジーハウス」に設置される三面のピラミッドひな壇

農産物直売所「パンジーハウス」も「鴻巣びっくりひな祭り」のサテライト会場の一つとなります。地元の新鮮な野菜や果物を販売する売店の中に、三面のピラミッドひな壇が設置されます。

花や植木の販売コーナーには、等身大のひな人形が姿を現します。

<施設情報>
施設名 農産物直売所「パンジーハウス」
住所 埼玉県鴻巣市寺谷165-3
電話番号 048-596-8122
営業時間 9:00から17:00
定休日 年中無休
アクセス JR高崎線「鴻巣駅」より市内循環バスフラワー号に乗車、「鴻巣フラワーセンター」停留所下車

「コスモスアリーナふきあげ」に展示される八角錐のひな壇

「コスモスアリーナふきあげ」は、公共スポーツ施設なのですが、「鴻巣びっくりひな祭り」の開催日には、玄関ホールに八角錐のひな壇の展示が行われます。

<施設情報>
施設名 コスモスアリーナふきあげ
住所 埼玉県鴻巣市明用636-1
電話番号 048-548-3112
開館時間 9:00から21:00
休館日 毎週火曜日(祝日にあたる場合は水曜日)/年末年始(12月28日から1月4日)
アクセス JR高崎線「吹上駅」南口より徒歩約30分
公式ホームページ https://cosmos-arena.com/


まとめ

日本の多くの家庭では、3月3日の「桃の節句」の前後にひな人形を飾る習慣があります。女の子の健やかな成長を祈るのです。日本最大の人形の生産地を誇る埼玉県では、県内でユニークなひな祭りイベントが行われます。本記事では、「岩槻流しびな」、「鴻巣びっくりひな祭り」の2つをご紹介しました。

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