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【九州】一度は乗りたい観光列車『36+3』

【九州】一度は乗りたい観光列車『36+3』

2023-07-06 mochi

普段何気なく乗車している列車ですが、観光に特化した列車があります。
それが、「観光列車」で、近年移動するだけでなく「乗ること」自体を楽しめるとして人気を集めています。
日本には、「車両」が楽しい観光列車や、「食」「車窓」「イベント」など様々なタイプの観光列車があります。
本記事では、特に観光列車に力を入れているJR九州の中かから、九州をぐるっと一周する「36ぷらす3」に焦点を当てて、車内の様子などをご紹介していきます。
観光列車に興味のある方や、九州に旅行へ行く予定の方、贅沢旅を楽しみたい方はぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
この列車は、沿線の風土や車窓の風景を思いきり楽しんでいただくために、個性溢れる洗練されたルックスやインテリアはもちろん、ユニークな仕掛けが満載です。移動手段として便利なだけでなく、乗ることそのものが、忘れられないイベントになる観光列車の旅。たくさんのワクワクと物語を乗せた九州の旅をお楽しみください。
mochi

この記事を書いた人

mochi

5年間で45都道府県制覇した旅好きOLです。
ひとり旅、空港、ホテル、映えスポットなど新しい発見ができるような記事を届けられたら嬉しいです!

真っ黒な車体が特徴の観光列車『36ぷらす3』

1992年に特急「つばめ」でデビューし、現在も特急「かもめ」「にちりん」などで活躍している787系電車を改造した6両編成を使用しています。

「36ぷらす3」とは奇抜な名称は、「36」は九州が世界で36番目に大きい島という意味。
「ぷらす3」は、「お客さま、地域の皆さま、私たち」でひとつになって、39(サンキュー!)=「感謝」の輪を広げていく、という想いが込められているそうです。

車両は全てグリーン車で、定員は100人程度。
コンセプトは「九州のすべてが、ぎゅーっと詰まった”走る九州”といえる列車」。美味しい食、温泉、豊かな自然、歴史、ホスピタリティマインドといった九州の魅力を詰め込まれています。

デザインは有名な水戸岡鋭治さんで、黒を基調とした外装に中は日本を感じさせるような洗練されたデザインになっています。

木曜日ルート〜赤の路〜

▲熊本駅の駅舎


<施設情報>
施設名:熊本駅
住所:〒860-0047 熊本県熊本市西区春日3丁目15
電話番号:050-3786-1717
URL: https://www.jrkyushu.co.jp/railway/station/1191555_1601.html

1週間かけて九州を回るルートには、曜日に合わせて5つの色で分けられたコースが用意されています。

【博多→熊本→鹿児島中央】のルートで回る木曜の路線「赤の路」。

▲車両に表示されているルート図

九州の左側を縦断するので、爽快感のある路線です。

途中停留する玉名駅では、玉名地区を中心に、熊本県北地域の特産品の販売があります。八代駅からは肥薩おれんじ鉄道を運行し、途中の牛ノ浜駅では、阿久根地域の特産品が登場します。東シナ海の絶景と一緒にお楽しみいただけます。

今回の記事では特に木曜日ルートで途中停車する牛ノ浜駅に関しても後述しているので確認してみてください!

金曜日ルート〜黒の路〜

▲車内でプレゼントしていただけるオリジナルキャンディ

【鹿児島中央→宮崎】のルートで回る金曜の路線「黒の路」。


錦江湾と桜島を眺めながら昼食をとり、途中で停車する大隅大川原駅は森の中の静かな駅です。地域の方のおもてなしや、イチョウの大木の下でのカフェが予定されています。

鹿児島から宮崎と距離こそ短く感じますが、鹿児島を横断するルートで、天候や運がよければ桜島なども綺麗に見ることができる路線です。

土曜日ルート〜緑の路〜

▲途中停車駅にて駅の歩道橋から撮影した車体

【宮崎空港・宮崎→大分・別府】のルートで回る土曜の路線「緑の路」。

宮崎市内を出発後、日向灘をのぞみながら延岡へ。
延岡駅では地域の特産品の販売があります。延岡から先は宗太郎駅で秘境駅の雰囲気を感じていただき、重岡駅では、佐伯市の方々による地域の逸品の販売があります。

5つのルートの中でも、空港を出発点とする珍しい路線のため、日本各地から観光でお越しの際はとても便利に活用できる路線となっています。

宮崎空港は11時37分発なので、その時間に合わせて飛行機に乗られるのもとても楽しい旅程かもしれませんね。

日曜日ルート〜青の路〜

▲車内で配布される曜日ごと異なるパンフレット(木曜日バージョン)
【大分・別府→小倉・博多】のルートで回る日曜の路線「青の路」。

大分、別府を出発後、別府湾を眺めながら杵築に向かいます。
大分の自然豊かな海、山、川を楽しみながら、お食事いただきます。門司港では自由散策の時間を設けてられておりますので、駅舎をバックに記念撮影、お買い物などをお楽しみいただけます。

月曜日ルート〜金の路〜

【博多→佐世保 佐世保→博多】のルートで回る日曜の路線「金の路」。

博多駅を出発後、昼食をとりながら走行します。
途中で停車する肥前浜駅は、日本酒の蔵元が集まる歴史あるまち。肥前浜駅から江北駅を経由して佐世保へ。窯元の風情ある煙突を眺めながら佐世保へ向かいます。

こだわりの詰まった車両レイアウト

▲黒で統一された洗練された車内(車両連結部分)


1号車から3号車までは個室、5号車、6号車は座席タイプの客室となります。3号車は17年ぶりにビュッフェが復活され、ファンの間ではとても話題となりました。
4号車はマルチカーとして、車内での体験やイベントなどに活用されています。

▲6号車の表札

各車両に入る時には、綺麗なプレートがあり、大人な雰囲気が感じられます。
客席は全てに特色があり、全く違う体験をすることができるので、何度乗車しても楽しめる工夫が施されています。

客席<6号車>

▲客席の入り口

暖簾を潜って客席に入るという仕掛けが、日本人らしさを表現しており、客席への期待感を高めてくれます。

▲6号車の車内の客席

6号車は、床材には熊本県八代産のイ草を使った畳を使用しており、靴を脱いでお寛ぎいただけます。2+1列のゆったりとしたグリーン席の座席です。
シート背面には革製のポケットを設置、テーブルもお食事ができるよう大きめのサイズになっています。

▲下駄箱

特に印象に残ったのは、この下駄箱。
6号車は畳の床になっているため、土足厳禁です。自分の指定座席の番号が書いてあるスペースに靴を収納する仕組みになっています。
一つ一つの装飾にこだわりと遊び心が満載でとてもワクワクする時間を楽しめます。

▲下駄箱エリアの様子

また下駄箱エリアの壁は朱色で統一されており、日本を感じることができます。
壁一枚挟んで色の雰囲気がガラッと変わる車両です。

▲座席の様子

座席の上にはまるで飛行機のような収納ボックスが完備されており、大きな荷物があっても問題なく収納できるようになっています。
また、下駄箱スペースの中に、大きなスーツケースなどの荷物を収納できる空間もあったので、合わせて利用可能です。

マルチカー<4号車>

▲マルチカーに設置してあるソファー

かつて荷棚があった部分が「光壁」になっているスペースです。「LOUNGE BAR39」の文字が記載されており、高級感あふれるスペースとなっています。

4号車のLED表示機には「マルチカー」と表示され、定員は0名のフリースペースとなっています。
元々座席が並んでいたものが大変身したこの4号車では、3号車で購入したお食事をここで食べることも出来ます。また、定期的に開催されている、車内でのイベント参加することもできます。

客室乗務員の方が体験メニューや車内イベントに関してのご案内もしてくださるので、沿線の魅力をさらに味わうことのできる体験型車両、乗車された際には空き時間でぜひ足を運んでいただきたい場所です。

▲4号車の天井

この車両は荷棚が全て取り払われ、光天井になっています。ここ最近のミトーカデザインでよく採用されているスタイルですね。

▲イベント開催準備中の様子

地域ごとのおもてなし

▲赤の路で訪問するおもてなし駅『もてなし駅』

車内で楽しめる飲食メニューはもちろん、地元の方々がおもてなしをしてくれる停車駅が各コースで設定され、熱い歓迎を受けることができます。
その土地ならではの品々が購入できる物販もあり、シーズンによってはその日の朝に収穫された野菜なども並びます。

普段の旅行では知り得なかったような、JR九州沿線のマチに実際に降り立って地域の魅力を体感することができます。

▲牛ノ浜景勝地・すみっ瀬

赤の路線で熊本を通り過ぎて牛ノ浜駅周辺を走行中に車窓を眺めていると、沖に浮かぶ、大きな岩のうえに建てられている鳥居を見ることができます。
景勝地であるにもかかわらず、案内が少ないためか訪れる人は多くないため、知る人ぞしるスポットとなっています。

鳥居が建てられた岩は、「すみっ瀬」とよばれ、地元の人から親しまれている景勝地。走行するのは日中のため、夕日を見ることはできませんが、月の中にすっぽりと鳥居が入っているように見える夕日を撮影することのできる絶景スポットとしても人気です。

車内アナウンスでも紹介されているので、ぜひ乗車した際にはアナウンスにも注目してみてください。

<施設情報>
施設名:牛ノ浜駅
住所:〒899-1741 鹿児島県阿久根市大川
電話番号:(0996)63-6860 ※運行情報・運賃に関するお問い合わせ
URL: https://www.hs-orange.com/station/pub/detail.aspx?c_id=12&station_id=22


まとめ

▲車内に飾ってあるおしゃれな壁画

今回は、近年注目を集めている観光列車に焦点を当てて実際の車内や体験イベントなどをご紹介しました。『36ぷらす3』では、1週間かけて異なるルートを走っているので、5回乗っても楽しめる、体験型列車です。また、この観光列車には専属の客室乗務員の方々が一緒に乗車されており、アナウンスや車内販売、イベントの開催などを行ってくれています。また、1号車や2号車に乗車すると、食事を給仕など丁寧な接客をしてくださいます。乗降時には列車の側でお出迎えしてくださる姿もとても素敵でした。
JR九州では、今回ご紹介した「36プラス3」以外にも、「ななつ星in九州」や「ゆふいんの森」「或る列車」「指宿のたまて箱」「ことこと列車」など11種類ほどの観光列車が走っています。目的地や列車内で体験できることなどを調べた上で乗車し、忘れられない体験をしてみてはいかがでしょうか。

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