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高知一のカオス空間『アクトランド』で感性を育もう

高知一のカオス空間『アクトランド』で感性を育もう

2024-08-30 ナベチャン

幕末の偉人、坂本龍馬とゆかりの深い観光スポットがたくさんある高知県。その中でもひときわ異彩を放っているのが、香南市にある創造広場『アクトランド』です。今回はなんでもありのカオススポット、アクトランドの魅力をあますことなくご紹介します!
ナベチャン

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ナベチャン

旅行業界で7年ほど働いていました。仕事で有名観光地に行き過ぎたせいか、プライベートでは珍スポット・B級スポットと呼ばれる場所ばかり出かけています。素敵な情報をお届けできたら嬉しいです!

高知が誇るカオススポット『アクトランド』




創造広場・アクトランドは「人の感性を育み、豊かな心を生み出し、より良い社会へと導く」ことを目指してつくられた総合テーマパークです。
1988年に開設された龍馬歴史館を現・館長の北村精男氏が継承し、自身が収集したアンティークな道具や自動車、また自身が発明した製品や役目を終えた機械を展示するゾーンを新たに設けて2015年にリニューアルオープン。
「芸術に親しみ、文化を高め、科学技術を発展させる」という想いのもと、Art(芸術)・Culture(文化)・Technology(技術)の頭文字を組み合わせて『AKTLAND(アクトランド)』と名付けたそうです。




そんなアクトランド、園内はどうなっているかといいますと……。
泣く子も黙るリアルな蝋人形がズラリと並ぶ展示館から、100年を超える年代物の絵画を展示するギャラリー、さらには人力の観覧車やメリーゴーランドと、まさに感性を育むコンテンツが満載!
全くといっていいほど統一性のない、なんでもありのカオスなスポットとなっております。

最大の見どころは蝋人形だらけの館『龍馬歴史館』




超個性的かつマニアックな展示館を軸に、無料で利用できる『自遊空間』、カフェ・ショップで構成されているアクトランド。
その中でもやはり一番見逃せないのが、高知が生んだ英雄・坂本龍馬の全てを学べる『龍馬歴史館』です。




龍馬歴史館は120体以上の蝋人形を使い、坂本龍馬の33年の生涯を27場面に分けて再現した展示館です。
アクトランドがオープンする前からあった施設で、今もなお人気を集めるメインスポットとなっています。
展示されているリアルな蝋人形は、「国有文化財級の芸術家」として知られる台湾出身の芸術家、林健成(リン・ゲンシン)氏によって製作されたもの。
皮膚のたるみからシワ、それぞれの人物の細やかな特徴まで、どれも精巧に再現されており、思わず本物と見間違えてしまうほどのクオリティです!
ここではいくつかの名シーンを厳選してご紹介します。

龍馬誕生




最初に紹介するのが、龍馬の誕生シーン。
龍馬は1836年11月15日、土佐藩郷士坂本家3代目・坂本直足の次男として生まれました。
龍馬という名前の由来については諸説ありますが、一説によると母・幸が龍馬を産む前日に龍が出てくる夢を見たこと、そして龍馬が誕生した際に、背中に馬のたてがみのような毛が生えていたことが由来しているのだそう。
龍馬を囲む家族たちの笑顔がこれまた幸せそうで素敵……。ちなみに龍馬には兄の権平、長女の千鶴、次女の栄、三女の乙女と4人の兄姉がいたそうです。そのうち長男とは22歳も年が離れていたのだとか。

幼少時代




幼少時代はとても気が弱く、泣き虫でひ弱だった龍馬少年。10歳を過ぎても寝小便のクセがなおらず、さらにいつも鼻水を垂らしていたことから「夜ばれたれ(はれ=方言で小便という意味)」と呼ばれからかわれていたそう。
また、寺子屋に通っていた頃も物覚えが悪く、塾の子供たちからいつも馬鹿にされていたそうです。
そしてこの頃、龍馬の母・幸が他界。以降は三女の乙女が母に代わり、龍馬を教育したといわれています。




乙女は龍馬を夜中に無理やり起こして夜尿を克服させたり、泳げない龍馬を近くの鏡川に連れて行って水泳の特訓をしたり、それはそれは厳しく教育したそうです。
龍馬歴史館の中にも、乙女が龍馬を教育しているシーンを再現した展示があります。
竹竿の先に結んだ縄に龍馬をくくりつけ、日々水泳の特訓をさせられる龍馬……。今のご時世でやったら絶対アウトな教育です。恐ろしや。

薩長同盟




超スパルタな姉に学問や武術、そして何事にも屈しない強い精神を叩き込まれた龍馬。
その後、江戸での剣術修行や土佐勤王党の結成、勝海舟との出会いなどを経て、1866年に薩長同盟を結びます。
龍馬歴史館の薩長同盟シーンでは龍馬のほか、桂小五郎(木戸孝允)、西郷隆盛、小松帯刀の蝋人形も展示されています。

お龍との結婚




その後、寺田屋事件を経て、龍馬は自身の危機を救ってくれたお龍と結婚。
実際には京都・金蔵寺の住職智息院が仲人となって内祝言(結婚式)をしたそうですが、龍馬歴史館では演出として、中岡慎太郎と西郷隆盛から晩酌をもらっている様子を展示しています。




結婚式のあとには、龍馬とお龍のハネムーンを再現した展示も。
こちらは寺田屋事件で負った傷の治療と静養のために、京都から鹿児島まで船旅をした時の一幕だそうで、2人にとっては最初で最後の楽しい時間だったとされています。
個人的にはこの再現シーンが龍馬歴史館の展示で一番ほっこりするポイントです。
ちなみに当時は新婚旅行という文化がなかったため、これが日本で初めての新婚旅行といわれているのだそう。

船中八策




有名な船中八策のシーン。音声や光の演出が美しく、龍馬歴史館最大の見どころとなっています。
船中八策とは坂本龍馬が考案した新国家体制の基本方針で、大政奉還の元にもなったものです。
土佐藩船『夕顔丸』で長崎を出航し、船中で新国家体制について後藤象二郎らにその構想を示す龍馬。
こちらでは船中八朔のシーンをバックに写真スポットの小舟に乗って撮影も楽しむこともできます。見学の際はぜひ記念に1枚撮影してみてはいかがでしょうか。

見逃せない!マニアックな7つの展示館

アクトランドにはまだまだほかにも個性的でマニアックな展示館がたくさんあります。
せっかくお出かけするなら、ぜひ龍馬歴史館と併せて立ち寄ってみてください。ここでは龍馬歴史館以外の7つの展示館を簡単にご紹介します。

世界偉人館




世界偉人館は旧・龍馬歴史館の中にあった展示館で、文字通り、歴史に名を残した世界の偉人たちをリアルな蝋人形で再現したブースとなっています。
こちらに展示されている蝋人形も、龍馬歴史館と同じく、全て林健成氏が制作しているのだそう。
マリリン・モンローやマハトマ・ガンジー、ジョン・F・ケネディ、クレオパトラと、一度はその名を聞いたことがあるであろう偉人たちを身近に感じられる空間です。
壁面には高知出身の芸術家・セシボン山本によって描かれた偉人たちの似顔絵も展示されています。

世界モデルカー博物館




世界モデルカー博物館は国産車から世界のスーパーカー、映画や特撮で活躍した車などの模型を展示する博物館です。
実車メーカー約200ブランド、総台数3,700を超えるモデルカーの中には、生産台数の少ない希少なスーパーカーや、ここだけでしか見られない特注のモデルカーなども。
お気に入りのモデルカーを探したり、同じブランドの車を年代順に見比べてみたり、さまざまな楽しみ方でモデルカーの世界を堪能できるスポットとなっています。




世界クラシックカー博物館は100年以上もの歴史を持つクラシックカーをはじめ、世界に数えるほどの台数しかない希少価値の高い車を展示する博物館です。
展示されている車両数は全部で22台。そのうちの18台は『フォードモデルT』などのクラシックカー、残り4台が『マツダコスモスポーツ』などの近代車となっています。
展示車両の近くにはパネルや動画などを用いた分かりやすい解説があるので、クラシックカー初心者でも楽しく自動車の歴史について学ぶことができます。

ボンネットバス博物館




ボンネットバス博物館は、昭和中期ごろまで活躍したレトロでかわいらしいボンネットバスを展示している博物館です。
こちらは世界モデルカー博物館や世界クラシックカー博物館よりも比較的子供が楽しめるゾーンとなっており、展示しているボンネットバスに乗ったり、運転席のハンドルを動かしたりすることができる空間となっています。
近くには車掌や消防士の制服が着られる子供向けのなりきりコーナーも!制服を着て記念撮影することも可能なので、家族でお出かけの際はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

ニーオアフリカンギャラリー




ニーオアフリカンギャラリーは、ガーナ出身のアーティストであるフランシス・クワティ・ニーオ(フランク・ニーオ)の作品を展示するゾーンです。
展示されている作品はブロンズ・アルミニウム・カッパー・ブラスと4種の金属を使って表現された唯一無二の浮彫絵画となっており、どれも見応え満載。
こちらのギャラリーではLEDによる光の演出も加えられており、1つの作品でも光の色や角度でさまざまな表情を鑑賞できます。

KUMA’Sコンテナギャラリー




KUMA’Sコンテナギャラリーは、「ゲージツ家のクマさん」で知られる篠原勝之氏の作品を展示するゾーン。
場内には東京錦糸公園から移設した大型の球体作品や、コンテナに収納された幻想的なガラス作品などが展示されています。
篠原氏の作品といえば、鉄やガラス、コンクリート、木材、プラスチックなど、さまざまな素材が使われているのが特徴的。まさに見ているだけで感性が磨かれるようなスポットとなっています。

『自遊空間』はいつでも無料で利用OK




展示館がメインとなっているアクトランドですが、実は園内にあるフリーエリア『自遊空間』も見どころの1つ。
こちらは子供から大人まで楽しめるアスレチックから体験コーナー、さらには人力で動くオリジナルの遊具など、さまざまなコンテンツが用意されており、休日には家族連れやカップルで賑わう大人気のエリアとなっています。
ご覧ください。こちらは自遊空間の『わんぱく広場』というスポットなのですが、もはやフリーエリアというよりも遊園地といった感じです。
これが全て無料で利用できるなんて……。思わず「経営は大丈夫なのかしら」と心配になってしまいます。小さいお子さまがいる方とってはとくにありがたいスポットなのではないでしょうか。




こちらはわんぱく広場のシンボルともなっている『ドキドキワンダーランド』。
高さ 20 メートルもあるヒノキを使ってつくられたジャングルジムで、日本一の巨大ジャングルジムならぬ、日本一の巨木ジャングルジムなのだそう。
さすが数々の発明品をつくってきた館長なだけあって、発想力が違います。




ひそかに人気を集めているのがこちら。日本で一番小さな観覧車『レインボーサイクル』です。
レインボーサイクルという名前からもお分かりいただける通り、こちらは自転車を漕いで動かす人力の観覧車となっています。そう、1人では遊べないやつです……!
ただ、記念撮影はしていただけるそうなので、自転車を漕いでいる姿を写真におさめることは可能。
もちろん家族連れやカップルの方も、近くのスタッフに声をかければ写真を撮ってもらうことができます。

自遊空間のエリアにはわんぱく広場のほかにも、多数の発動機や工業機械を展示する『創造広館』、昔の大工道具やかわいらしいレトロ電話を展示する『Akioコレクション』など、面白いコーナーが目白押し。もちろんこちらの展示コーナーも、全て無料で見学可能です。
また、キッズスペースや休憩スポットも設けられているので、無料エリアだけでも1日中楽しむことができます。


まとめ

歴史に名を刻む偉人からマニア垂涎のカーコレクション、さらには遊園地のような大型遊具の数々。
国内にはいろんなテーマをごちゃまぜにしたカオススポットがたくさんありますが、アクトランドほど1つの施設でさまざまなテーマを取り扱うところはなかなか珍しいものです。
一度足を運べば、きっとあなたも感性が育まれるはず。高知へお出かけされる際は、ぜひ遊びに行ってみてください。

<施設情報>
住所:〒781-5233 高知県香南市野市町大谷928-1
電話番号:0887-56-1501
営業時間:10:00~18:00
定休日:月曜日
料金:龍馬歴史館/大人…1,500円、小学生~高校生…800円
そのほかの展示館/各館大人…1,000円、小学生~高校生…500円
URL:https://actland.jp/

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