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【群馬】早春に紅白の花で彩られる梅の名所3選

【群馬】早春に紅白の花で彩られる梅の名所3選

2023-02-28 Obaq

厳しい寒さが和らぎ春の訪れが感じられるようになると、梅の花が咲き始めます。全国各地には魅力的な観梅スポットが点在しています。群馬県にも数多くの梅の名所がありますが、その中から「群馬三大梅林」に数えられる榛名梅林、箕郷梅林、秋間梅林の3スポットをご紹介します。
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国内では47都道府県、海外では67ケ国を巡っております。この経験をいかし、
幅広い視野で観光スポットの魅力や特徴をお伝えして参ります。

梅の収穫量、全国第2位を誇る西上州の「群馬三大梅林」

ご飯のお供として、梅干しは欠かせない存在でしょう。国内で梅の収穫量が最も多いのは和歌山県ですが、これに続いて群馬県が第2位を誇っています。特に西上州では古くから盛んに梅の栽培が行われ、実を収穫して様々な食品に加工し出荷しています。中でも高崎市の榛名梅林、箕郷梅林、安中市の秋間梅林の3つの梅林をあわせて、「群馬三大梅林」と称されています。いずれの梅林も上州の山々を背景とする広大な敷地で、実梅が栽培されています。

榛名梅林(高崎市)

榛名山の南東の山麓に約400ヘクタールにわたって広がる榛名梅林

榛名梅林は高崎市の北西部に聳える上毛三山の一つ、榛名山を背景に広がります。標高約1449メートルの山頂付近には火山活動によってできたカルデラ湖の榛名湖や、中央火口丘の榛名富士溶岩ドームなどがあります。榛名富士の南東の山麓の約400ヘクタールの敷地に、12万本前後の梅が植えられています。なだらかな丘陵は、例年3月上旬から下旬にかけて純白の梅の花で埋め尽くされ、甘い梅の香りを漂わせます。梅の見頃時期には「榛名の梅祭り」が開催されています。

榛名梅林が広がるのは、高崎市上里見町の榛名文化会館エコールの南西方向の丘陵地です。広大な敷地には、約1780メートルの「白加賀(しらかが)」コース、約1530メートルの「紅養老(べにようろう)」コース、約1250メートルの「梅郷(ばいごう)」コース、約1400メートルの「南高(なんこう)」コース、約360メートルの「織姫(おりひめ)」コースの散策コースが設定されています。

梅林の中には歩きやすい園路が整備されています。梅の花を左右に延々と続きますが、傾斜はなだらかなので、ゆっくりと歩けば疲れることはないでしょう。

梅林の中央の高台には見晴台が設けられています。見晴台からは360度のパノラマで梅の花が繋がり壮観です。北西の方角には梅の花越しに、榛名山が雄大な姿を見せ、思わず息をのんでしまいそうです。広大な敷地面積の梅林の中で、トイレはここにしかないので注意が必要かもしれません。

トテ馬車に乗車して疲れることなく左右に流れる梅の花を観賞

「榛名の梅祭り」の開催日には、見晴台を中心にトテ馬車が運行されます。馬を引く御者(ぎょしゃ)が真鍮(しんちゅう)のラッパを「トテトテー」と鳴らして走っていたことから名づけられました。

馬車の客車からは、左右に流れる梅の花を観賞することができます。ベンチに座っているだけなので、延々と続く梅林を疲れることなく移動できるのです。梅の動きに従って揺れる梅の花を見ると、かけがえのない思い出になるに違いありません。

「榛名の梅祭り」での多種多様のイベント

トテ馬車の運行の他にも「榛名の梅祭り」では、多種多様のイベントが企画されています。榛名文化会館エコール前の広場には特設のステージが設置されます。

特設ステージでは、上州榛名太鼓の演奏をはじめ、箏や尺八の演奏、榛名音頭保存会の演舞、マジックショー、ビンゴゲーム、梅の種飛ばし大会などの多彩なイベントが行われます。

梅の香りが漂う中の伝統芸能のイベントも楽しいですが、訪れた人々が盛り上がるのは食品の無料配布が行われるタイミングのようです。梅の赤飯の配布が始まると、テントの前にはアッという間に長い行列ができます。

梅うどんも赤飯に負けない人気です。次々に要領よく手渡されていくので、準備されたうどんは瞬く間になくなってしまいます。配布時間をチェックして乗り遅れないようにしたいところです。

梅ジュースや梅干し、甘酒の無料サービスもあり一日中、梅づくしです。きっと新たな梅の味わいに気づくことになるでしょう。

無料配布では量が足りないと感じれば、広場を取り囲む売店で買いだめをすることもできます。梅の収穫量が全国第2位を誇る西上州ということもあって、梅の加工食品のPRをしっかりと行っているようです。

<施設情報>
施設名 榛名梅林(はるなばいりん)
住所 群馬県高崎市上里見町1072-1(榛名文化会館エコール)
電話番号 027-374-5111(榛名観光協会)
入園料 無料
休園日 なし
アクセス JR高崎線「高崎駅」より群馬バス「里見経由室田(権田)行き」に乗車、約50分の「エコール入口」停で下車し徒歩約3分
公式ホームページ
https://www.city.takasaki.gunma.jp/kankou/nature/harunabairin.html

箕郷梅林(高崎市)

箕郷梅林は、高崎市の北西部に聳える榛名山の南麓に広がります。関東平野を一望することができる標高約140メートルから約390メートルの丘陵が梅林として整備されているのです。敷地面積は約300ヘクタールにも及び、10万本前後の梅の木が栽培され、「群馬三大梅林」の一つに数えられています。例年3月上旬から下旬には一面に梅の花が咲き乱れ、見頃時期には「みさと梅まつり」が開催されます。

広大な敷地に広がる箕郷梅林の中でも、最も訪れる人が多いのは、蟹沢地区のみさと梅公園の周辺です。

榛名山が噴火したときに噴石とともに野梅の種子が落下したと伝わる梅林

公園には大昔に榛名山が噴火したときに、噴石とともに野梅の種子が落下したと伝わります。園の一画に育つ「子育ての白梅」は、この子孫だと伝わります。幹に子どもを抱いた観音様が現れるとも言われ、地域の子孫繁栄や幸福をもたらすご神木として崇拝されています。

みさと梅公園には樹齢10年から30年の梅が多く栽培され、梅の実の収穫に適しているようです。収穫された実は梅干しなどの食品に加工され、全国に出荷されています。公園の敷地内にはほとんど傾斜はなく、歩きやすい遊歩道が張り巡らされています。遊歩道を散策すると、360度のパノラマで梅の花が広がります。

「みさと梅まつり」の開催期間には、みさと梅公園で梅の切枝、梅ジュース、梅まんじゅうなどが無料配布されます。数には限りがあるので、早めの時間帯に訪れる必要があるようです。

園内では猿回しなどのイベントが行われることもあります。

公園に接して売店通りが設けられています。通りに軒を連ねる売店や露店では、梅干し、梅ジャム、梅ジュースなどの加工食品の他、上州名物の焼まんじゅうなどが販売されています。

箕郷フルーツラインをドライブ

箕郷梅林は広大な丘陵地が梅の花で覆われ壮観なのですが、残念ながら公共交通機関でのアクセスがよくはありません。でも、エリア内にはいくつも駐車場が設置されるので、マイカーで訪れるのがよさそうです。箕郷フルーツラインをドライブすると延々と続く梅林がまるで雲海のような景観となり、その先に高崎市の市街地が広がります。

<施設情報>
施設名 箕郷梅林(みさとばいりん)
住所 群馬県高崎市箕郷町善地・富岡
電話番号 027-371-9065(高崎市箕郷支所産業課)
入園料 無料
休園日 なし
アクセス JR高崎線「高崎駅」よりバス「箕郷行き」に乗車、約30分「箕郷営業所」停下車後、タクシーで約5分
公式ホームページ https://www.city.takasaki.gunma.jp/kankou/nature/misatobairin.html

秋間梅林(安中市)

秋間梅林は、安中市の西部を流れる秋間川の上流の丘陵地に広がります。約50ヘクタールの敷地に35,000本前後の紅梅、白梅が栽培され、「群馬三大梅林」の一つとされています。例年2月中旬から3月下旬にかけては早春の彩りで包まれ、「秋間梅林祭」が開催されます。

観光梅林としては凡そ60年の歴史をもち、「白加賀(しらかが)」、「鶯宿(おうしゅく)」、「鹿児島紅(かごしまべに)」、「寒紅梅(かんこうばい)」、「錦松梅(きんしょうばい)」、「甲州小梅(こうしゅうこうめ)」などの品種が植栽されています。

最上部の平坦な広場が絶好の展望台

エリアの最上部の平坦な広場は絶好の展望台となっています。視線の先にはなだらかな斜面を梅の花が覆いつくします。

梅林内には歩きやすい遊歩道が整備されています。傾斜は急ではないので、梅の花を左右に見ながら、ゆっくりと散策することができます。

遊歩道に沿って数多くのベンチが設置されるばかりでなく、東屋も設けられているので、足を休め腰かけて、和の情緒に浸ることもできます。

「秋間梅林祭」の開催期間には、梅の枝の配布をはじめとして、和太鼓の演奏、モデル撮影会、いも煮会などの多彩なイベントが企画されます。

産地の中で味わえる多彩な梅グルメ

頂上エリアには観光案内所の他に、数多くの飲食店、売店が営業しています。梅干しばかりでなく、とうがらしうめ茶、生うめこぶ茶、うめサイダー、梅タピ、梅ネードなどの珍しいドリンクを味わうことができます。梅タピは、ミルクと梅シロップが入ったヨーグルト風味の新感覚タピオカドリンクで、梅ネードは、梅シロップの爽やかさにハチミツの甘さが加えられたホットドリンクです。梅の季節に販売される秋間梅林弁当には、秋間カリカリ小梅、梅びしおに加え、砂糖の代わりに梅ジュースを使用したすき焼きも入っています。産地の中で様々に工夫されたグルメを堪能することができるのです。

梅林の周辺には梅を加工する農家も数多く見られます。ハウスの中では梅ざらの中に、一列に並んだ梅の実が天日干しされます。ハウスからは甘酸っぱい香りが漂います。

<施設情報>
施設名 秋間梅林(あきまばいりん)
住所 群馬県安中市西上秋間大吹672
電話番号 027-382-1111(安中市観光課)
入園料 無料
休園日 なし
アクセス JR信越本線「安中駅」より「秋間中関行き」バスで約20分、「恵宝沢バス停」下車後、徒歩約5分
公式ホームページ https://akimabairin.com/


まとめ

群馬県は梅の収穫量、全国第2位を誇っています。西上州では古くから盛んに梅の栽培が行われ、本記事でご紹介した榛名梅林、箕郷梅林、秋間梅林は、「群馬三大梅林」と称されています。いずれの梅林も広大な敷地内に梅の花が咲き乱れ壮観です。梅の加工食品の販売や配布も行われ、視覚ばかりでなく味覚でも早春を堪能することができます。

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